鳥撮り時々月撮り

月面撮り比べ(月齢4.476)

 カメラ側を新調したデジスコシステムは32xのアイピースがデフォルト。
旧システムで使えていた50xアイピースは使用できない構造だったので、旧システム用のアタッチメントをベースに50x用アダプターをDIYしたことは4/28のエントリーに記した。

大型連休中は天候が悪かったり新月だったり、おまけに後半は早々に仕事再開と条件が整わず、今夕ようやく機会を得た。

あいにく薄雲が残るすっきりしない西空だが撮影を強行。
32xと50xそれぞれ可能な限り同じ大きさになるようにデジカメのズームで調整しながら撮ってみたが、条件の良い日に再トライしないと厳密な比較にはなりそうもない。

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↑ 32xアイピース(TSE-14WE)を使用し、カメラ側はテレ端。35mm換算2688mm相当。

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↑ 50xアイピース(TSE-9W)と、カメラ側標準域の18.15mm。2491mm相当。

画面真ん中付近を見る限りシャープネスに大きな違いは感じられないが、周辺は32xとテレ端の組み合わせに軍配が上がる。月の輪郭を見ると色収差では32xの方が目立つ気がするが、50xでも同様の傾向があるので大差はなさそうだ。

結論を出せるほどの条件では無いが、月の全体を撮影するには32xアイピースでいけそうな感触が得られた。

次回は50xアイピースとデジカメのテレ端(4200mm相当)でどこまでクローズアップできるかを試してみよう。

- 撮影データ(共通):Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M

ヨシキリはギョウギョウシと騒々しい

オオヨシキリ(大葭切)

 【スズメ目ヨシキリ科】*1

オシドリが越冬する近所の雨水調整池。辺り憚らぬ賑々しい鳴き声には憶えがある。
ブッシュ内を移動する鳴き声を目で追うこと小一時間。
ようやく捉えたのは一見ウグイス風だが一回り大きい体躯。紛れもなくオオヨシキリだ。

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本来は河川敷や湿地のアシ原を好む夏鳥
この池にもイネ科植物らしい群落や灌木のブッシュがあるが、確認したのは初めてだ。

河川敷なら目線から上の高さで鳴いているので見つけ易くかつ撮りやすいのだが、あいにくここはすり鉢状の見下げるポジション。一度見失うとなかなか見つけ出せない。

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それでもようやく全身を視認。見た目はウグイスに似ている。以前に撮影したオオヨシキリの頭部は冠羽という程ではないにしろ逆立っている印象だったが、この個体のそれはノッペリしている。 tpong.hatenablog.com

 以前撮影した画像を調べると逆立っていない個体もいるようで、なんとなく繁殖状況と関係がありそうに思うのだが、まぁ素人の憶測だろうか。 tpong.hatenablog.com

 長めのクチバシや黒っぽい脚部など本種の特徴は明瞭だし、なによりそのさえずりは一度聞いたら間違えようがない。

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オオヨシキリは東南アジア方面から繁殖のために渡ってくる。おそらく通過個体だろうとは思うけど、この池で繁殖するとなれば隣接した住宅地の住人は大変だ。

なにしろこいつの別名は「行行子」(ギョウギョウシ)*2。字面の通り騒々しいさえずりはとてもじゃないが風流とは言い難い。夜も止まない騒音に一夏耐えるのは苦行と言うほかあるまい。

- 撮影データ:Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32x)

オオヨシキリ(大葭切) の過去記事を読む

*1:古い資料だとウグイス科

*2:夏の季語

皇室とカラス

八咫烏

令和の御代となった。

皇室は三世代にわたって生物研究との関わりが深い。今上天皇の妹である黒田清子さんも内親王だった頃に山階鳥類研究所の非常勤研究員だった。とりわけカワセミの羽衣に関する研究は興味深い内容で、不肖ヒゲボウズも読ませていただいた。

そもそも山階鳥類研究所は元皇族の山階芳麿が設立し、秋篠宮皇嗣殿下が現総裁という皇室に縁のある組織。平安末期、鵺(ヌエ)の声*1に怯えた二条天皇の故事*2を思えば隔世の感どころではない。

と、つらつら思いを巡らせ皇室に縁のある鳥はいるのだろうかと妄想モード。

例えばゴイサギのゴイには五位の字を当てるが、これは朝廷から賜れた官位だそうだ。*3

また古事記日本書紀によればヤマトタケルの化身は白鳥とされている。近畿圏ならコハクチョウの可能性が高そうだとは鳥バカの発想か。

ヤマトタケルよりさらに皇室の始祖まで遡れば、神武東征を先導した八咫烏(ヤタガラス)に行き着く。3本足カラスの図案はサッカー日本代表のエンブレムとして馴染み深いが、神話とはいえヤマト王権樹立に功績があったのだからたいした鳥ではある。

 

ハシブトガラス(嘴太鴉)

 【スズメ目カラス科】

無理矢理カラスに話を繋いだところで、ハシブトガラスの登場。

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見ての通りの行水中。文字通りの「烏の行水」だが、一連の行動は断続的ながら5分近くに及んだ。我々の入浴からすれば短い時間だが、野鳥としてはかなり長めの行水。観察した限りではスズメだと平均すればせいぜい1分、メジロなどは長くても10数秒程度でしかない。*4

愚考するにハシブトガラスともなれば恐れる相手はオオタカなどわずかな猛禽だけのはず。それ故に悠然と水も浴びていられるのだろう。

「きわめて短時間の入浴」をあえて鳥に比定するならば、「小鳥の行水」こそが当てはまる。オチもなにもないが鳥バカの結論としておこう。

参考までに過去に掲載した「小鳥の水浴び」エントリーを列記。

癒やされちゃってください。

- 撮影データ:Canon EOS 7D / Canon EF400mm F5.6L USM


-ジョウビタキ♀:https://tpong.hatenablog.com/entry/20111120/p2
-ジョウビタキ♂:https://tpong.hatenablog.com/entry/20061128/p2
-スズメ:https://tpong.hatenablog.com/entry/20050411/p2
-スズメ&カワラヒワhttps://tpong.hatenablog.com/entry/20060622/p3
-シジュウカラ(成鳥):https://tpong.hatenablog.com/entry/20110814/p1
-シジュウカラ(幼鳥):https://tpong.hatenablog.com/entry/20050626/p2
-ヤマガラhttps://tpong.hatenablog.com/entry/20060130/p1
-エナガhttps://tpong.hatenablog.com/entry/20060320/p2
-メジロhttps://tpong.hatenablog.com/entry/20050903/p3
-アオジ♂:https://tpong.hatenablog.com/entry/20051128/p4
-ウソ♀:https://tpong.hatenablog.com/entry/20060930/p1
-セグロセキレイhttps://tpong.hatenablog.com/entry/20061022/p1
-ハクセキレイhttps://tpong.hatenablog.com/entry/20090930/p1

ハシブトガラス(嘴太鴉) の過去記事を読む

*1:鵺の正体はトラツグミの鳴き声とされている

*2:平家物語

*3:https://tpong.hatenablog.com/entry/20050607/p3

*4:もちろん例外的に長い場合もあるけれど

繁殖シーズン開幕

 カルガモ(軽鴨)親子

  【カモ目カモ科】
雷を伴う荒れ模様は午前中には収まり、正午からは小雨と晴れ間のせめぎ合いが続いていた。何時ぶり返すか分からぬ雨に怯えつつ、出来るだけクルマから遠ざからぬように増水収まらぬ川辺を徘徊する。

いくらも歩かぬうちに濁流から逃れたカルガモを発見。担いでいたデジスコでは周囲の状況を記録するには倍率が高すぎた。デジカメをスコープから外して撮影するも今度は逆に望遠比が足りず、かなりトリミングしている。

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スコープに再セットしてのぞき込むと、彼らが避難した辺りの草もなぎ倒されている。あれだけの雷雨だもの、一時はかなり増水したようだし、流れる水もまだ濁ったままだ。

そうこうするうちに草の中から数羽のヒナが沸いてきた。計10羽を数えたが、カルガモにとっては平均的なヒナの数。

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一旦クルマに戻り、一眼レフを追加装備。

その間に親子は幾分減じた水をかき分け、下流へと移動。どうやら空腹に耐えかねているらしいく、小さなヒナたちが健気に水を掻いていく。

それに・・・・

愛なんだね、親鳥は上流側に回り込んで、流れを少しでも食い止めようとしている。

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数年程前、同じ場所で10羽程いたヒナが全滅したことがあった。

この川はなかなか捕食圧が高く、知る限りでもイタチやハクビシンに野良猫、アオダイショウやカラスに猛禽など、ヒナを狙うプレデターに事欠かない。加えるに今日のような増水など急変する天候も脅威だろう。コンクリートで護岸された川とあっては飛べないヒナに逃げ場は無い。

ヒナたちの前途は苦難の連続だろう。「グッドラック」と念ずるのみだ。

それにしても5/2の時点でこの数、多くは4月中に孵化したはずなのでかなり早期の繁殖ではなかろうか。少なくともヒゲボウズの観察経験では6~7月が通例だった。

- 撮影データ
          <上> Canon PowerShot G9 X Mark II(50%トリミング)
          <中> Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32x)
          <下> Canon EOS 7D / Canon EF400mm F5.6L USM

カルガモ(軽鴨) の過去記事を読む

いつまで続く改元狂騒曲

コゲラ(小啄木鳥)

 【キツツキ目キツツキ科】
木々の中を彷徨えば、所々にキツツキの穿った穴がある。この辺りのキツツキはコゲラアオゲラしかいないので、直径3~4cmならばコゲラだろう。古いのはシジュウカラなどが利用しているリフォーム物件だったりするのだが、新しい穴を見つけたなら繁殖準備にいそしむコゲラが近くにいるかも知れない。

そろそろ夏鳥通過が終わる。そしてレギュラーバードたちの繁殖が本格化する。f:id:Tpong:20190501175048j:plain

さてこのコゲラ、頭部の形状や赤斑が見られないことからおそらくメスだと思うのだが確信には至らない。デジスコの調整中に数メートル先に現れたのだが、有効写程の内側だった。後ずさりしたのだがなにしろ斜面なので三脚設置が思うに任せない。慌てているうちに程良い距離の幹に移動してくれた。

啄木鳥ならぬ忖度鳥なのだろうか。

- 撮影データ:Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32x)

コゲラ(小啄木鳥) の過去記事を読む

昔は感謝されたんですけどねぇ

ムクドリ(椋鳥)

 【スズメ目ムクドリ科】
昨日のキビタキに続きオオルリでと行きたいところだが、あいにくの曇天。プチ遠征をあきらめ自宅付近でデジスコの調整と練習。最優先の目的は更新したデジスコシステムでの望遠端を試すこと。

そんな思惑を知ってか知らずか、協力してくれたのはムクドリ

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最大倍率のテストでクチバシ先端に焦点を合わせ、あえてフレーミングしたカットだが、かえって面白いフレーミングとなった。

せっかくだからムクドリの立場も代弁しておこうか。
最近では糞害で悪役キャラだけど、かつては田畑の害虫を駆除してくれる善玉だった。
今でも人知れず虫取りにいそしんでいることを覚えておくべし。

-撮影データ:Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32x)

ムクドリ(椋鳥) の過去記事を読む

4年目のフィット ハイブリッド

  丸4年を経過したフィット ハイブリッド(GP5)の走行距離は25,000kmで、年平均6,000km少々といったところ。仕事で使用している軽自動車の年間走行距離は15,000km以上。フィットは家族も使っているので多少差し引くとしても、ヒゲボウズ個人の年間走行距離は20,000kmを超えているようだ。市街地走行が大半なので日に3時間は運転していることになる。道理で運動不足なわけだ。

そのフィット ハイブリッドの購入を巡っては2度ほど書いた記憶がある。 tpong.hatenablog.com

tpong.hatenablog.com

あれから4年。乗って分かった良いこと悪いことを雑感程度に記しておく。

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10連休って、どこの話?

 キビタキ(黄鶲)♂

【スズメ目ヒタキ科】

復活させたデジスコを用いてのファーストショット。

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この時期の地元里山は通過する夏鳥ショートステイエリア。尾根を徘徊するとさえずりが聞こえてくるのだが、日々濃くなっていく新緑に阻まれ姿を確認できない。2時間待ってようやくの顔見せだった。

カメラ側の操作に不慣れであたふたしたが、唯一のチャンスを逃さなかった自分は褒めておこう。キビタキがファーストショットとは新システムにとって縁起の良いスタートになったしね。

 - 撮影データ:Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32x)

キビタキ(黄鶲) の過去記事を読む

デジスコ セッティング完了

 カメラ(Powershot G9 X Mark2)とそのアタッチメント類を新たにしたシステムを組みあげ、動作確認テスト。f:id:Tpong:20190428184834j:plain

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