2013-01-01から1年間の記事一覧

大晦月・夜明けの地球照(月齢27.858)

大晦日の月出は横浜で5:06だったが、ベランダから撮影可能になるまでジリジリと待つ。 横浜といっても多摩丘陵に接する我が家付近は2〜3℃低く、カーボン三脚を握っただけで指先の感覚が薄れてしまう。 風こそ無風に近く大気の状態はすこぶる良いが、高度が…

月日は百代の過客にして 行かふ年も又旅人也

あまりにも有名な「奥の細道」序章冒頭。 この一節が妙に心を揺さぶるのは歳のせいだろうか。時の経過を眺めるでもなく逆らうでもなく、身を委ねて流れていこう。 そうすることで己もまた人生の旅人でいられそうだ。今まさに過ぐる年、拙写駄文におつきあい…

姫雨燕(ヒメアマツバメ)

【アマツバメ目アマツバメ科】 黒っぽい小鳥が乱舞しているのは、年の瀬も押し迫った多摩川上空。 見上げていると、通りかかった初老の婦人が「越冬ツバメね」と声をかけてきた。 たしかに南国に渡らず国内で越冬するツバメも少数ながらいるのだが、事例のほ…

蟻吸(アリスイ)

【キツツキ目キツツキ科】 なんとも奇妙な風貌の鳥だが、分類上ではキツツキの仲間ということになっている。 その名の通り主にアリを捕らえるのだが、吸うというより長い舌で絡め取る。 遠目に鱗っぽく見える羽衣などどことなく爬虫類を彷彿させるのだが、実…

瑠璃鶲(ルリビタキ)♂

【スズメ目ツグミ科】 気付いてみれば師走の喧噪に呑み込まれている。 せっかくの日曜もいたずらに時間の経過が速く、気持ちに余裕が生じない。 疲労の蓄積か、体の節々が悲鳴を発しているようだ。ここはおとなしく体を休めよう。 画像は昨シーズンのルリビ…

百合鴎(ユリカモメ)

【チドリ目カモメ科】 ウミネコやセグロカモメなどカモメの仲間は概して目つきが悪いのだが、ユリカモメとその近縁は例外のようだ。 つぶらな黒い瞳、そしてクチバシが厳つくないことが彼らの面差しを優しげに見せているのだろう。 風景用のワイドレンズから…

尉鶲(ジョウビタキ)♂

【スズメ目ツグミ科】 ジョビエット嬢を掲載したとあらば、ジョビオ君を出さねば片手落ち。 冬のジョウビタキは単独行動で、雌雄といえど越冬地では縄張りを巡るライバル関係。 彼女と彼が悲恋の物語を紡いでいるわけではないけれど、ついつい勝手な愛称で呼…

尉鶲(ジョウビタキ)♀

【スズメ目ツグミ科】 初冬の風情が日々を重ねていく今、まさにジョウビタキの季節。 鳥見を思いに任せぬ師走を過ごしていても、そこかしこで彼と彼女の鳴声を聞く。 画像は昨年の蔵出し。 ジョウビタキは雌雄それぞれが魅力的な装いだけど、鞠のように膨ら…

イテテテテ

先週は普段のテリトリーを離れ、山梨県の某所に通う日々を過ごした。 無駄に長身なヒゲボウズには窮屈過ぎる軽自動車で往復6時間。しかも行程の半分は九十九折りの山道。 着いた先ではそれなりに緊張度の高い作業。これを一週間続けたら背中と股関節が悲鳴…

百舌(モズ)♂

【スズメ目モズ科】 モズは獰猛さにおいてタカをも凌ぐ。 ときとしてスズメやメジロを狩り、一回り以上大きなオナガやツグミを追い散らす。 愛嬌すら感じるメスとは異なり、オスの特徴たる黒い過眼線はその精悍さを強調して余りある。 いささか強面のモズだ…

夜明けの幻想

久しぶりの鳥見だが、あわよくばアイソン彗星を見たいものだと夜明け前から河原をたむろ。 目当ての彗星は薄靄に儚く潰えたけれど、夜明け直後の川霧が幻想世界を見せてくれた。 川霧は水温が気温より高い場合に発生する現象。南関東にも冬は確実に近づいて…

頬白(ホオジロ)♂

【スズメ目ホオジロ科】 相変わらず鳥見のままならぬ日々。 蔵出し画像を探すにしても、せめて季節は合わせたい。 そんなこんなで拾い出したのが山雀(ヤマスズメ)の異名を持つホオジロ。 「源平ツツジ白ツツジ」とか「一筆啓上つかまつり候」など多彩な聞…

光陰矢の如し

先週は昼夜通し作業日が二回あり、体内時計がデタラメなコンディション。 それのみならず立て込む仕事に地域の行事が重なり、鳥見もままならない週末を過ごしてしまった。 在庫を浚えば野鳥の写真には事欠かないのだけれど、たまには我が家のボタンインコ嬢…

尾長鴨(オナガガモ)♂♀

【カモ目カモ科】 一気に冬が加速したらしく、フロントガラスが氷結していた。 空を横切るカモのシルエットにいっそうの季節感を募らすのはトリミストの性だろう。 画像は昨季の11月下旬に撮り溜めたオナガガモの蔵出し。 色付く樹々を映す水面にオスのシッ…

暮月

陽が差したかと思えば雨が降る。 我が家周辺はその程度だったけど、かなり荒れた地域もあったようだ。 薄暮の時間、雨の気配こそ遠ざかったけど、上弦月は駆け抜ける雲を渡っていた。 それにしても台風30号(ハイエン)の直撃を受けたフィリピンの惨状が気に…

尾長(オナガ)

【スズメ目カラス科】 オナガの生息地は中国から朝鮮半島周辺及び日本の極東アジアとヨーロッパのイベリア半島。 このあまりにも距離を隔てた分布は長いこと謎とされてきた。 大航海時代にどちらからか人為的に持ち込まれたという説はいかにもありそうな気に…

翡翠(カワセミ)♀

【ブッポウソウ目カワセミ科】 大枠としてのカワセミ科は100種近くいるそうだ。 そのうち国内で見られるのはカワセミ・ヤマセミ・アカショウビン*1の3種。 運が良ければ旅鳥のヤマショウビンやナンヨウショウビンの迷行個体に遭遇することもあるようだが、レ…

雪加(セッカ)

【スズメ目ウグイス科】 四季を通じての河川敷レギュラーメンバーといえば、セキレイ三種にカワラヒワ、そしてセッカを挙げておこう。 北日本で繁殖したセッカは冬を暖地で過ごすそうだが、南関東だと冬も留まっている。 繁殖期のオスは低空を波状飛翔しなが…

鳶(トビ)

【タカ目タカ科】 オオタカの仲間やハヤブサならいざ知らず、トビが鳥を襲うという話は聞いた覚えがない。 このときも本当に狩ろうとしたのか、はたまた目障りだっただけなのか、トビに聞いてみなければ分からない。 だが、ムクドリの慌てふためきようはファ…

野鶲(ノビタキ)♂冬羽

【スズメ目ヒタキ科】 夏の繁殖期を高原で過ごし、平地には春と秋の通過時に姿を見せる。 夏羽(繁殖羽)は全く異なる装いとなるので春の姿を見たいと思っているのだが、地元で見かけたという話はほとんど聞かない。 よほど旅を急いでいるのだろう。 秋はと…

栗名月

先月の十五夜はスカッと晴れたけど、十三夜月は紗(うすぎぬ)のような雲ごしに夜を渡る。 さて栗名月。月を肴に一献と洒落込みたいところだが、悲しいかな明日もまたハードワーク。 微かに欠けた風情を愛でるに止めおこう。 撮影データ :Canon EOS 7D + EF…

ビセンテ・アミーゴ(Vicente Amigo)

娘がアルバイト代を貯めて、横浜公演のチケットをプレゼントしてくれた。 ビセンテは神業とも称されるスパニッシュギターの名手。 十数年来のファンだが、生で聴くのは初めて。いや、期待に違わず素晴らしいコンサートだった。

嘴細鴉(ハシボソガラス)部分白化

【スズメ目カラス科】 このところアルビノバンだの黒変コサギだの、何の連鎖か色素変異の鳥を見る機会が多い。 だがこのハシボソガラスは事前情報で探したわけではなく、出会い頭の不期遭遇。 聞けば地元のバードウオッチャーには知られた個体らしいのだが、…

満ちゆく月(月齢8.436)

今月17日は十三夜。先月の中秋の名月が「芋名月」なら、十三夜は「栗名月」とされている。 満月のピークは19日朝なので、実質的には満月に一日半満たない風情を愛でることとなる。 撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32xアイピース) / Canon IXY210F / …

ホシホウジャク

和名漢字は星蜂雀。蜂に擬態していることによる名称らしいが、蜂でも雀でもなく「蛾」なのだ。 本種やオオシカシバなど、スズメガの一部はホバリングしながら吸蜜することが知られている。 この行動がハチドリ(ハミングバード)に似た習性なので誤認される…

虹の彼方に

青い鳥で思い出すのは「虹の彼方に」の一節、Somewhere over the rainbow Bluebirds fly. 「オズの魔法使い」の一曲だが、数多のミュージシャンが歌い、そして演奏している。 もちろん耳にした範囲に過ぎないが、大好きなこの曲のマイベストを集めてみた。ア…

百舌(モズ)♀

【スズメ目モズ科】 9月中旬頃からだろうか、モズの高鳴きが夏の終わりを告げている。 いわゆる「さえずり」は縄張り宣言だったり求愛ソングであり、概ね繁殖期に限られる。 ところがモズの高鳴きは雌雄を問わず行われ、他種の鳥だけでなく同族の異性に対し…

赤ちゃんが乗っています

無謀な追い越しをかけてきたクルマの後部に「赤ちゃんが・・・・」ステッカーが見えた瞬間、怒りのゲージが跳ね上がる。 身勝手ここに極まるね。 そもそもこの類のステッカーは好きじゃない。 娘がベビー〜チャイルドシートを必要とした期間、自分のクルマに…

大瑠璃(オオルリ)♂

【スズメ目ヒタキ科】 9月から10月にかけて、繁殖期を日本の山野で過ごした小型の野鳥たちが山を下り、そして海を渡っていく。 そうした去りゆく夏鳥の代表格がオオルリだろう。 運が良ければ里山や緑豊かな公園で暫しの休息をとる彼らに逢うことが出来る。 …

鶚(ミサゴ)♀

【タカ目タカ科】環境省レッドリスト準絶滅危惧(NT) ミサゴは魚食性のタカ。沿岸部や大きな河川、湖などでその姿を見ることが出来る。 分布も広く両極地を除くほぼ世界中の沿岸部に生息しているが、国内では減少傾向らしく環境省のレッドリストでも準絶滅…