オオヨシキリ(大葭切)
【スズメ目ヨシキリ科】*1
オシドリが越冬する近所の雨水調整池。辺り憚らぬ賑々しい鳴き声には憶えがある。
ブッシュ内を移動する鳴き声を目で追うこと小一時間。
ようやく捉えたのは一見ウグイス風だが一回り大きい体躯。紛れもなくオオヨシキリだ。
本来は河川敷や湿地のアシ原を好む夏鳥。
この池にもイネ科植物らしい群落や灌木のブッシュがあるが、確認したのは初めてだ。
河川敷なら目線から上の高さで鳴いているので見つけ易くかつ撮りやすいのだが、あいにくここはすり鉢状の見下げるポジション。一度見失うとなかなか見つけ出せない。
それでもようやく全身を視認。見た目はウグイスに似ている。以前に撮影したオオヨシキリの頭部は冠羽という程ではないにしろ逆立っている印象だったが、この個体のそれはノッペリしている。 tpong.hatenablog.com
以前撮影した画像を調べると逆立っていない個体もいるようで、なんとなく繁殖状況と関係がありそうに思うのだが、まぁ素人の憶測だろうか。 tpong.hatenablog.com
長めのクチバシや黒っぽい脚部など本種の特徴は明瞭だし、なによりそのさえずりは一度聞いたら間違えようがない。
オオヨシキリは東南アジア方面から繁殖のために渡ってくる。おそらく通過個体だろうとは思うけど、この池で繁殖するとなれば隣接した住宅地の住人は大変だ。
なにしろこいつの別名は「行行子」(ギョウギョウシ)*2。字面の通り騒々しいさえずりはとてもじゃないが風流とは言い難い。夜も止まない騒音に一夏耐えるのは苦行と言うほかあるまい。
- 撮影データ:Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32x)