皇室とカラス

八咫烏

令和の御代となった。

皇室は三世代にわたって生物研究との関わりが深い。今上天皇の妹である黒田清子さんも内親王だった頃に山階鳥類研究所の非常勤研究員だった。とりわけカワセミの羽衣に関する研究は興味深い内容で、不肖ヒゲボウズも読ませていただいた。

そもそも山階鳥類研究所は元皇族の山階芳麿が設立し、秋篠宮皇嗣殿下が現総裁という皇室に縁のある組織。平安末期、鵺(ヌエ)の声*1に怯えた二条天皇の故事*2を思えば隔世の感どころではない。

と、つらつら思いを巡らせ皇室に縁のある鳥はいるのだろうかと妄想モード。

例えばゴイサギのゴイには五位の字を当てるが、これは朝廷から賜れた官位だそうだ。*3

また古事記日本書紀によればヤマトタケルの化身は白鳥とされている。近畿圏ならコハクチョウの可能性が高そうだとは鳥バカの発想か。

ヤマトタケルよりさらに皇室の始祖まで遡れば、神武東征を先導した八咫烏(ヤタガラス)に行き着く。3本足カラスの図案はサッカー日本代表のエンブレムとして馴染み深いが、神話とはいえヤマト王権樹立に功績があったのだからたいした鳥ではある。

 

ハシブトガラス(嘴太鴉)

 【スズメ目カラス科】

無理矢理カラスに話を繋いだところで、ハシブトガラスの登場。

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見ての通りの行水中。文字通りの「烏の行水」だが、一連の行動は断続的ながら5分近くに及んだ。我々の入浴からすれば短い時間だが、野鳥としてはかなり長めの行水。観察した限りではスズメだと平均すればせいぜい1分、メジロなどは長くても10数秒程度でしかない。*4

愚考するにハシブトガラスともなれば恐れる相手はオオタカなどわずかな猛禽だけのはず。それ故に悠然と水も浴びていられるのだろう。

「きわめて短時間の入浴」をあえて鳥に比定するならば、「小鳥の行水」こそが当てはまる。オチもなにもないが鳥バカの結論としておこう。

参考までに過去に掲載した「小鳥の水浴び」エントリーを列記。

癒やされちゃってください。

- 撮影データ:Canon EOS 7D / Canon EF400mm F5.6L USM


-ジョウビタキ♀:https://tpong.hatenablog.com/entry/20111120/p2
-ジョウビタキ♂:https://tpong.hatenablog.com/entry/20061128/p2
-スズメ:https://tpong.hatenablog.com/entry/20050411/p2
-スズメ&カワラヒワhttps://tpong.hatenablog.com/entry/20060622/p3
-シジュウカラ(成鳥):https://tpong.hatenablog.com/entry/20110814/p1
-シジュウカラ(幼鳥):https://tpong.hatenablog.com/entry/20050626/p2
-ヤマガラhttps://tpong.hatenablog.com/entry/20060130/p1
-エナガhttps://tpong.hatenablog.com/entry/20060320/p2
-メジロhttps://tpong.hatenablog.com/entry/20050903/p3
-アオジ♂:https://tpong.hatenablog.com/entry/20051128/p4
-ウソ♀:https://tpong.hatenablog.com/entry/20060930/p1
-セグロセキレイhttps://tpong.hatenablog.com/entry/20061022/p1
-ハクセキレイhttps://tpong.hatenablog.com/entry/20090930/p1

ハシブトガラス(嘴太鴉) の過去記事を読む

*1:鵺の正体はトラツグミの鳴き声とされている

*2:平家物語

*3:https://tpong.hatenablog.com/entry/20050607/p3

*4:もちろん例外的に長い場合もあるけれど