2011-01-01から1年間の記事一覧

六日月(月齢5.700)

以前読んだ時代小説に、年の瀬を満月が照らしているという下りがあったが、旧暦の世界ではあり得ない描写となる。 なぜなら晦日とか大晦日とはそもそも月の運行に基づいた旧暦における月末のことだもの。 などと、西空に沈みゆく六日月を見送りながらつらつ…

冬の夜空

対角魚眼レンズで夜空の日周運動を撮ってみた。 イメージセンサーがフルサイズのデジタル一眼レフなので、対角線で180度の画角となっている。本来なら1時間は露光したいのだが、光害が酷すぎて15分でもオーバーすぎた。いくら絞っても空が明るすぎては話にな…

夜明けの地球照

薄い月が黎明を避けるように上へ上へと逃げて行く。 夜明けのグラデーションに浮かぶ地球照が無粋な徹夜明けを癒してくれた。 撮影データ :Canon EOS 20D + EF70-300mmF4-5.6 IS USM

薄月(月齢27.629)

いよいよ漂う年の瀬の気配に、どの月齢を見ても「今年最後の」と注釈を着けてしまう。季節の移ろいが愛おしくもやるせないのはジサマになりつつあることの証だろうが、歳を重ねることで少しずつ変わっていく四季感は決して悪いものではない。 撮影データ :K…

大鷭(オオバン)

【ツル目クイナ科】 いつもカモを見に出掛けている池には5〜6羽のバンが生息している。そんな先入観があるので黒い水鳥が目にはいると「なんだバンか」とスルーしてしまいそうだったのだが、双眼鏡で一瞥をくれた際のクチバシの白さに踏みとどまった。識別…

下弦月(月齢22.640)

下弦の時間は12/18の09:48だが、冬の朝とはいえそこまで待てば昼月となってしまう。夜空の背景が成り立つギリギリのタイミングとして06:30の月に筒先を向けてみた。言うまでもなく今年最後の下弦の月だ。 夜明けの空に凛と輝く姿は肉眼には美しく映えるのだ…

丘葦鴨(オカヨシガモ)♂♀

【カモ目カモ科】 冬鳥としてやって来るカモたちにとって、この時季は来る繁殖シーズンに向かって伴侶を求める大事な時季でもある。 それ故にオス達は美しい繁殖羽への換羽を急ぎ、メスへのアピールを心掛ける。他のカモに比べると地味に見える本種も例外で…

木星

先夜の皆既月食では暗すぎてデジスコのピント出しに苦労を強いられ、時折スコープを木星に振り向けピント合わせに利用させていただいた。全能神のユピテル様には畏れ多いことだ。 あの晩は月にばかりシャッターを切り続けたので、今宵は木星をピックアップし…

立待月(月齢17.306)

日曜日夜の皆既月食から二日経過し、月は右半球の欠け様が目立ってきた。 この頃の月は日没から立って待てるほどの間に姿を現すことに由来して「立待月」と呼ばれる。満月より、少しだけ欠けた十六夜や立待月に風情を感じるのは何故だろうか? 撮影データ :…

十六夜(月齢16.268)

地平に現れたときは押しつぶされてオレンジ色に染まっていた月も、高度を増し白銀の輝きを放っている。 昨夜の皆既日食は見応え十分だったけど、同時刻の月面では太陽が地球の影に入る「日食」が起きていたわけだ。地球には大気があるので、皆既日食でも青い…

十六夜の柑月

事前に調べた東京の月出時刻は17:05。裏山からの眺望で、完全に地平を越えた瞬間は17:10だった。 いやはや想像以上に楕円だし、輪郭のユラユラした歪みも相当なものだね。昨夜の皆既月食で月を赤銅色に染め上げたのも地球の大気だし、地平から顔を出したばか…

田雲雀(タヒバリ)

【スズメ目セキレイ科】 観察していたら通りすがりのご婦人に「何の鳥ですか?」と聞かれた。「タヒバリですよ」とお答えしたら、どうやらヒバリの仲間と勘違いされたご様子。問わず語りにセキレイの仲間と補足させていただいたが、周りにいるハクセキレイや…

皆既月食 最大食(月齢15.347)

完全に地球の影に入っているのに赤銅色に染まる月。理屈で分かったつもりでも、実際に目にすると神秘を感じてしまう。 画像は皆既月食ほぼピークタイムの23時30分45秒。小一時間続いた皆既食だが、実際には地球による本影のど真ん中ではなく下側を通過したた…

翡翠(カワセミ)♂

【ブッポウソウ目カワセミ科】 なかなかハンサムなカワセミ君が佇んでいるのは溜池の水位調整弁。 バルブの飾りの様に鎮座している姿は、遠目には手の込んだワインオープナーのように見えた。 人工物と野鳥の妙な調和 ・・・・ かな? 撮影データ :Kowa TSN…

天空の神(木星)

木星の英名ジュピター(jupiter)は古代ローマの主神ユピテルの英語読みだが、ギリシャ神話のゼウスと同一神だそうだ。 その大きさや質量のみならずガスの大気が渦巻く姿は、少なくとも太陽系の惑星群を統べる王に相応しく十分な迫力だ。 大口径望遠鏡には敵わ…

十日夜(月齢9.165)

このところ悪天候が続いたので、月を見上げるのは久しぶりのような気がする。 旧暦十日の月を十日夜と書いて「とおかんや」と呼ぶそうだ。古(いにしえ)の呼び名はなんとも風情があるものだね。 上弦を過ぎて日々肥えていく月が満ちる今週土曜日(12/10)、い…

小鴨(コガモ)♂

【カモ目カモ科】 換羽完了直前のコガモ君。九月に来着した頃と比べると別人ならぬ別鳥だ。 コガモは枝や手すりなどに佇む姿を見かけることが多い。小柄なだけに他のカモよりは身軽なのだろう。 撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32xアイピース) / CAS…

四十雀(シジュウカラ)♀

【スズメ目シジュウカラ科】 秋の深まりとともに落葉も進み、風通しの良くなった枝から枝をシジュウカラをメインにエナガやコゲラにメジロが通過していく。林を巡回するカラ類の混群を見かけると近づく冬を実感するね。 このカットにはお腹が写っていないけ…

柳眉の月(月齢28.052)

月もここまで薄くなると月の出から日の出直前までの小一時間しか見ることが出来ない。陽が昇ってしまえば空の色に溶け込んでしまい、およその位置が分かっていてさえ見つけ難くなってしまう。 引いた絵面ならまだしも、拡大撮影には条件も厳しい。レタッチの…

有明の薄月(月齢27.050)

昼夜通しの仕事を終え、明ける気配が漂いはじめた夜空に急かされつつ帰宅。急ぎデジスコをセットし、夜明けのグラデーションに呑み込まれそうな薄月に筒先を向ける。このあと突っ伏すように寝床にもぐり込み、陽の陰る午後に漸く起き出して画像処理。この月…

秋嵐去る

嵐が去り、空を覆っていた雲は大急ぎで千切れていく。 雨に打たれた残柿ひとつ、秋の青空を待っていた。 久々の対角魚眼。 この柿、実際にはレンズから20cmほど。もっと寄りたかったけど身長が足りないよぅ。 撮影データ :Canon EOS 5D + SIGMA 15mm F2.8 EX…

尉鶲(ジョウビタキ)♀

【スズメ目ツグミ科】 鳴き声だけだったジョウビタキに漸く逢えた。今季初遭遇はいきなりの水浴びシーン。 理屈抜きだよね、やっぱ可愛いぃぃぃっ! ジョビエット嬢には逢えたことだし、次はジョビオ君、待ってるぜ! 撮影データ :Canon EOS 20D + EF400mmF…

蒼鷺(アオサギ)

【コウノトリ目サギ科】 好天だった3日前に撮ったアオサギ。野鳥撮影のセオリーを無視してあえて逆光を狙ってみた。この時季、午後二時の陽射しは早くも夕陽を思わせ赤味がかっった色合い。刈り取り後の蘖(ひこばえ)*1を優しく秋色に染めあげていた。 ア…

いくたびの櫻

外ではカワセミをファインダーに捉え、帰宅してからは「御宿かわせみ」を読み返す。東吾とるいの物語にはふくい舞の「いくたびの櫻」が妙に填るなぁ。 津川雅彦や笛木優子が出演しているドラマVer.のPVも秀逸。季節外れだけど久々のヘヴィローテーション(笑…

翡翠(カワセミ)♂

【ブッポウソウ目カワセミ科】 ジョウビタキを探して午後の里山に繰り出したのだが、農業用水の溜池でついついカワセミに引っかかってしまった。秋の陽は釣瓶落とし、あっという間に陽は陰り、本来の目的を達することなく帰宅する羽目に。などと言いつつ、久…

未明の臥待月(月齢20.009)

夜間の作業を終えて屋外に出てみれば、思わず襟をかき合わせるような木枯らし。見上げれば煌々とした月と意外なほどの星々。風故に激しく瞬いてはいるけれど、光害の激しい我が家周辺にしては珍しいほどの星が瞬いていた。 やはりと言うべきか、午前五時の月…

立待月(月齢17.697)

月の出から1時間半ほどは色といい形といい蜜柑のような月だったが、十分高度を稼いだ21時以降は色味の飛んだクリスタルな立待月。地表は無風だし雲の流れも遅いのだが、輪郭はユラユラと頼りない。昼間に暖められた大地から熱気が上がっているのだろうか。 …

丘葦鴨(オカヨシガモ)

【カモ目カモ科】 先週1羽のみだったオカヨシガモは、20羽を超える群れとなっていた。昨年や一昨年と比べると少々遅めの渡来だったが、先ずは一安心。 ↑メスはマガモのメスにも似るが、翼鏡が白いこととサイズが一回り小さいことで容易に識別できる。最も特…

雲間の不知夜月

雲に阻まれデジスコでの月面撮影を早々に諦めた。こんな夜はむしろ雲の織りなす模様を撮りたいとテーマを変えてみるものの、なかなか雲と月面の露出バランスが難しい。30分ほどの間に100枚ほど撮ったのだが、雲のグラデーションと月面の表情を両立できたのは…

土鳩(ドバト)

【ハト目ハト科】 原種をカワラバト、改良された伝書鳩などが再野生化したものをドバトと区別しているが、我が国での彼らは人工的に移入された帰化種といわれている。とは言え記録に残る最古の移入時期は飛鳥時代に遡るので、帰化種といわれても何を今更と思…