チョウゲンボウのアーバンライフ

チョウゲンボウ(長元坊)

ハヤブサハヤブサ科】

 周囲の勧めもあり、少し前からInstagramを始めている。

 当ブログとシンクロ出来ればよいのだが、実際は過去ログから漁ることがほとんど。多少は変化を付けたいと過去画像をHDから浚うことになるのだが、今日の二枚は当時Hatenaダイヤリーで撮影直後の掲載から省いた没カット。改めて見直すと、こちらの方が良かったかもなどと思ったりしている。

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 高速道路の高架入路に造っていた巣。撮影当時は巣材を運ぶ様子も見られたのだが、結局は放棄した。

 本来チョウゲンボウは断崖の岩棚や横穴、樹洞などで営巣するのだが、ビルや高架橋なども人の気配が希薄であれば違和感なく営巣するようだ。このあたりは同族のハヤブサでも同様の傾向があるようだ。都会のビル群を鳥の視点で眺めれば、断崖絶壁と変わりが無いのかもしれない。

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 この飛び出しシーン、当時使っていたカメラでよく撮れたものだ。オートフォーカスの追従など望むべくもないので、飛び出しコースを予測しての「置きピン」だったと思われる。機材が古い分だけ苦戦もするが、不肖ヒゲボウズの一眼レフデビューはオートフォーカスどころか自動露出さえ夢物語だった時代。それを思えば機材への不満など ・・・・ 

    ・・・・ 嘘です。やっぱり最新機種には惹かれまする。

 

- 撮影データ:Canon EOS 20D / Canon EF400mm F5.6L USM

チョウゲンボウ(長元坊) の過去記事を読む

コジュケイは寄るな来るなでチョットコイ

 利き腕の不調で鳥見から遠ざかっているので、例によってハードディスクを浚って画像を発掘。画像は初出だが、記事内容は過去にも触れたことが含まれている。ご容赦のほどを。

コジュケイ(小綬鶏)

【キジ目キジ科】

 本来の生息地は中国南部。日本にはペットもしくは狩猟用として100年前に移入されたのだが、我が神奈川県ではまったくの普通種。「チョットコイ」と聞こえる鳴き声も馴染み深く、もはや帰化種と知らない人も多いのではないだろうか。

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 上はオスの画像。脚部中程の後方に僅かに見える距(ケヅメ)がその根拠。距はニワトリなどキジ科のオスの特徴だが、本種のそれは小さくて見分け難いので、不肖ヒゲボウズなど撮影した画像をチェックして距を見つけるのが関の山。

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 このときも雌雄特定は事後処理中のPCモニターだったのだが、これまでに特定できた数組のペアを見る限り、全体にオスの方が柄にメリハリがあり首周辺のレンガ色も濃いように思える。向かって左がオスなのだが、お分かりいただけるだろうか。とは言えこの程度の差異は個体差と言われればそれまで。あくまでもヒゲボウズの私見であることをお断りしておく。

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 このシーンを見つけたときは巣穴かとも思ったのだが、コジュケイの巣は草むらの窪みに草などを敷いた形状のはず。様子を見ていると時折土埃が上がっていたので、沐浴(砂浴び)だったことが判明。入浴も一緒だなんて、どこまでも仲のよいカップルであることよ。

 

コジュケイ(小綬鶏) の過去記事を読む

- 撮影データ:Canon EOS 5D / Canon EF400mm F5.6L USM

隣はなにをする人ぞ

夏の終章

  朝からまとわりつくような湿った空気。時折降る雨が鬱陶しさに拍車をかける、「残暑」を絵に描いたような一日。と思っていたのだが、西陽とともに雲がちぎれ何やら秋めいたそよ風が吹いてきた。どれだけ暑さに喘ごうが、季節は歩み続けていたらしい。 昼間の暴力的な蝉時雨に大差は無いが、夜の虫の音には涼やかな気配が混じりはじめている。

 残すところ一週間の8月だけど、あくる9月が即ち秋にはなるはずもない。台風の幾つかが通り過ぎるのは必至だが、願わくば災害のない初秋であってほしいものだ。

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 仕事を終え、さあ帰宅というところでこの空に遭遇。とりあえずiPhoneを空に向けてみた。意外に撮れるものだとはヒゲボウズの偏見もしくは認識不足。加齢とともに偏屈街道まっしぐらだな。

 

都合の良い悲劇

  歴史認識といえばたいそうな話だが、某新聞社が書いた下書きに色を塗っただけの勧善懲悪C級小説じゃないかと考えてしまう。攻められた側に立てば始皇帝やチンギスハーンは悪魔だろうが、彼らにも「理」があったからこそ英雄という見方もあるわけだ。

 歴史のうねりに善悪二極の単純構造など無いと思うのだが、「都合のよい悲劇」の前には声も届かない。

不快な夜は月もが禍々しい

居待月

  近所のラーメン屋さんからの帰り道、東の地平を真っ赤な月が昇ってきた。
帰宅後のベランダで、大気の揺らぎが落ち着く頃合いにフィールドスコープをセット。
赤味こそかなり薄れたが、まだまだ禍々しい色を湛えた月が低空を睥睨していた。

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 デジカメのホワイトバランスをデイライト設定として見た目通りのオレンジ色で撮った後、電球設定(3200k)に変更して色の偏りを修正。極軸の傾きも補正して撮ってみた。

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▲ 2019/08/18 21:20:35(月齢17.350)

 おおよそ本来の色が限りなく無彩色なのは「かぐや」などの観測データでも証明されている。このブログでは何度か言及してきたが、禍々しい色の正体は地球の大気が波長の短い光を散乱させてしまうことによる。

 と理屈は判っていても、ねっとりと淀んだ不快な空気は禍々しさをいや増しているようだ。いい加減、猛暑にもウンザリしてきた。

- 撮影データ:Canon PowerShot G9 X Mark II / Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32x)

明治の大義と令和の正気

記念艦「三笠」(HIJMS MIKASA)

 横須賀に「三笠」を訪ねてきた。
司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」を読んで以来、いつかはと思いつつ今日になってしまった。名目上は記念艦だが氷川丸のように浮いているわけではなく、陸上に固定された状態で横須賀市三笠公園の一角を占めている。

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 三笠を旗艦とした連合艦隊がロシアのバルチック艦隊*1と交戦し勝利したのは1905年(明治38年)。この日本海海戦は日本の海軍史上で最も輝かしい成果だが、国家の枠を超え海外の海軍関係者が研究し賞賛する海戦でもあるようだ。

 不肖ヒゲボウズは1980年代の南米チリで、当地の大学生たちから日本海海戦について熱く語られたことがある。のみならずかの国で最も名の知れた日本人が東郷平八郎*2だという事実に驚いたことを覚えている。

 第二次世界大戦の敗戦後、荒廃した記念艦三笠を救い再建するきっかけはむしろ英米側だったそうだ。敗戦直後の状況を考えると意外にも思えるが、それだけこの艦が世界史に名を留めているということなのだろう。建造したのが英国だということも大きいとは思うが。*3

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 記念艦「三笠」は日露戦争に特化した博物館でもある。「坂の上の雲」読者としては随所に明治という時代の輝きが見て取れる。なによりもその後に続く凶暴なだけの戦争とは異なる「余裕」や「文化」を感じるのが面白かった。暑かったけど・・・・ 

- 撮影データ:Canon EOS 6D Mark II / Canon EF 17-40mm F4L USM

坂の上の雲 全8巻セット (新装版) (文春文庫)

坂の上の雲 全8巻セット (新装版) (文春文庫)

 

 

  出来うるなら、某隣国の皆さんにはロシアの脅威にさらされた近代アジア史を脚色フィルター無しに知ってほしいものだ。そのときのお国の事情を知れば違った事実も見えてくるのだが、国家的歪曲の前には無力だなぁ。

 

 記念艦「三笠」公式サイト>http://www.kinenkan-mikasa.or.jp/

 

 ガングリオンってSFアニメじゃないよ

  一年ほど前から左足親指付け根が膨らみ、本人のみならず外反母趾と思い込んでいた。右腕の痺れ治療に通う整形外科で見てもらったところガングリオン(ジェル状の物質の詰まった腫瘤)と判明。注射器で吸い出してあっという間に処置完了。針を刺すときは痛かったけど、こんなことなら早く受診すべきだった。女性に多いらしが、男とて珍しくは無い症例だそうな。

 このところ身体の故障が相次いでいるので、ある意味久しぶりの朗報だった。

*1:ロシア第二・第三太平洋艦隊の日本側呼称 旅順港に封じられた太平洋艦隊を増援するため編成された

*2:日露戦争当時の連合艦隊司令長官

*3:造艦技術が発達途上のこの時代、主力艦クラスの建造はイギリスなど造船先進国に頼っていた

八月八日夕景

夕景と習い性

 フロントグラスに展開した光景に気を取られ、駐車スペース探しも気ぜわしく駆け込みの一枚。数分ほどタイミングを逸した感もあるが、さすがに路駐は憚られたので致し方ない。

 撮り終えてみればだからどうしたという類いの夕景。若かった自分なら足を止めさえしなかったかも。こんな日常の風景が気にかかることこそ「老いの一歩」なのかもしれない。

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 作業着ままの仕事復路。業務記録用に持ち歩いているコンパクトデジカメでパチリ。胸ポケットのiPhoneでもかまわないのだが、あくまでも「カメラ」に拘ってしまうところが長年の「性」なのだろう。我がことながらおかしみを覚える。

ウミネコはカメラ目線

ウミネコ(海猫)

 【チドリ目カモメ科】

 せっかくの日曜日だが猛暑に挫け、休日診療の通院以外は溜まった録画を見て過ごしてしまった。とはいえフォトブログを自認する以上は写真がないのも寂しものだ。ハードディスクを浚って数年前に種差海岸で撮影した画像を蔵出し&天日干し。

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 どうと言うことはないウミネコの写真だが、実は望遠レンズではなくワイド系ズームレンズを用いている。データを見ると撮影時の焦点距離は25mmなので画角はフルサイズ(35mm)換算で40mm相当の準広角。通常の野鳥撮影では考えられないほど種差海岸のロケーションを写し込むことが出来た。さすがはウミネコの繁殖地「蕪島」からほど近いだけのことはあり、人慣れしたものだ。

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 こちらは幼鳥。まだ親鳥に頼っている段階だったが、人が近づくと逃げてしまう。必然的に鳥撮常用としている望遠レンズの出番となった。被写界深度の極端な違いが面白い。

 現場を見たわけではないけれどおそらく餌付けする人がいるのだろう。幼鳥より警戒心の薄い成鳥に違和感を禁じ得ないというのが撮り手の本音。そのうち湘南のトビのように観光客のハンバーガーを掻っ払うウミネコが現れるかもしれない。そうなったとき、真の加害者は興味本位で餌を与えた人間ということになる。

- 撮影データ<上>:Canon EOS 7D / Canon EF17-40mm F4L USM
- 撮影データ<下>:Canon EOS 7D / Canon EF400mm F5.6L USM

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 さてオマケ。家族が伏写するヒゲボウズを写メっていた。いくら人慣れしていたとは言え、この姿勢で匍匐前進したのは絵面を見ればバレバレ。格好悪いったらないなぁ。

ウミネコ(海猫)の過去記事を読む