明治の大義と令和の正気

記念艦「三笠」(HIJMS MIKASA)

 横須賀に「三笠」を訪ねてきた。
司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」を読んで以来、いつかはと思いつつ今日になってしまった。名目上は記念艦だが氷川丸のように浮いているわけではなく、陸上に固定された状態で横須賀市三笠公園の一角を占めている。

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 三笠を旗艦とした連合艦隊がロシアのバルチック艦隊*1と交戦し勝利したのは1905年(明治38年)。この日本海海戦は日本の海軍史上で最も輝かしい成果だが、国家の枠を超え海外の海軍関係者が研究し賞賛する海戦でもあるようだ。

 不肖ヒゲボウズは1980年代の南米チリで、当地の大学生たちから日本海海戦について熱く語られたことがある。のみならずかの国で最も名の知れた日本人が東郷平八郎*2だという事実に驚いたことを覚えている。

 第二次世界大戦の敗戦後、荒廃した記念艦三笠を救い再建するきっかけはむしろ英米側だったそうだ。敗戦直後の状況を考えると意外にも思えるが、それだけこの艦が世界史に名を留めているということなのだろう。建造したのが英国だということも大きいとは思うが。*3

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 記念艦「三笠」は日露戦争に特化した博物館でもある。「坂の上の雲」読者としては随所に明治という時代の輝きが見て取れる。なによりもその後に続く凶暴なだけの戦争とは異なる「余裕」や「文化」を感じるのが面白かった。暑かったけど・・・・ 

- 撮影データ:Canon EOS 6D Mark II / Canon EF 17-40mm F4L USM

坂の上の雲 全8巻セット (新装版) (文春文庫)

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  出来うるなら、某隣国の皆さんにはロシアの脅威にさらされた近代アジア史を脚色フィルター無しに知ってほしいものだ。そのときのお国の事情を知れば違った事実も見えてくるのだが、国家的歪曲の前には無力だなぁ。

 

 記念艦「三笠」公式サイト>http://www.kinenkan-mikasa.or.jp/

 

 ガングリオンってSFアニメじゃないよ

  一年ほど前から左足親指付け根が膨らみ、本人のみならず外反母趾と思い込んでいた。右腕の痺れ治療に通う整形外科で見てもらったところガングリオン(ジェル状の物質の詰まった腫瘤)と判明。注射器で吸い出してあっという間に処置完了。針を刺すときは痛かったけど、こんなことなら早く受診すべきだった。女性に多いらしが、男とて珍しくは無い症例だそうな。

 このところ身体の故障が相次いでいるので、ある意味久しぶりの朗報だった。

*1:ロシア第二・第三太平洋艦隊の日本側呼称 旅順港に封じられた太平洋艦隊を増援するため編成された

*2:日露戦争当時の連合艦隊司令長官

*3:造艦技術が発達途上のこの時代、主力艦クラスの建造はイギリスなど造船先進国に頼っていた