天体

七日月(月齢6.082)

今宵の月を見上げて「きれいな三日月」と言った人がいた。 さすがに三日月と呼ぶのはどうかと思うが、陰暦の廃れた現代では半月より欠けた月をことごとく三日月と呼ぶ向きもある。 だが本来の「三日月」は旧暦三日の月のこと。 それに倣えば今宵は「七日月」…

四日月(月齢2.963)

昨夜は雨こそ上がったが生憎の曇天で、期待していた三日月は空振りに終わってしまった。 一夜明け、衆院選の今日は好天に終始。過剰な着ぶくれに汗ばむほどの投票日和なのに、投票率は伸びないようだ。 夕空にはぽっかりと三日月ならぬ四日月。お月様もなん…

まゆづき(月齢27.963)

今朝も昇る薄月に導かれて家路を辿った。 一層薄くなった月は三日月ならぬ二十九夜月だが、それぞれの薄月は眉月(まゆづき)とも称されるそうだ。 女性のそれよりもむしろ観音像の眉のようで、なんとも神々しい。 手前味噌だが、これまでに撮影した月の中で…

夜明けの地球照

午前四時、徹夜明けの家路を東に急ぐ。 前を行く長距離トラックのルーフを越えて、眼前に昇る月がやけにドラマチック。 それもそのはず、肉眼でも地球照がほんのり見えるのだもの。 家に駆け込み機材をセット。 肉眼の印象には及ばないけれど、月の暗部がわ…

望月(月齢14.635)

一時間半ほど待てば輝面比100%の満月だが、睡魔に挫けフライング気味の撮影。 輝面比99.997%の月はほとんどまん丸だが、輪郭が少々歪なのは大気のコンディションが今ひとつだから。 いつもとは趣向を変えてホワイトバランスをデイライトの設定で撮影。 未処…

六日月(月齢5.096)

食べかけのスイカのようにも見える欠け具合だが、夜明けのゾーンは表情が豊かだ。 真ん中付近で臍のように見えるのがテオフィルスクレーター。 これで直径100kmと知っても、そうそう簡単には大きさの感覚は掴めない。 撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(5…

五日月(月齢4.438)

もう少し薄い三日月から四日月あたりが好みだが、旧暦五日頃の月も夜明けのゾーンが変化に富んでいて見応えがある。 撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース) / CASIO EX-Z850

有明の月(月齢25.309)

夜明け前、4時半頃にお月見と洒落込んでみた。 酔狂な時間だが、まぁいつもの夜勤明けなのだ。 夜明け前に東を昇る月は、そろそろ「有明の月」を具現している。 十六夜以降、朝にも残っている月を指す言葉らしいが、 明け染め始める東の空を逃げる月にこそふ…

更待月(月齢19.075)

○待月シリーズ最後の今宵は、月出から数時間雲に覆われていた。気まぐれに姿を現す雲間の月にも秋の風情が漂うものだ。 撮影データ :Canon EOS 20D + EF400mmF5.6L USM / 2012.11.03 / 横浜市 背筋に忍び込む冷気に耐えながら、撮影機会をひたすら待ち続け…

臥待月(月齢18.073)

今宵は雲が多く、雲間を窺いようやく撮影できた。 なんとか明晩の更待月まで撮影できれば「○待月シリーズ」が完結できるのだが・・・・ それにしても一昼夜経過した割に欠けの進行が遅いように見える。秤動とも関係しているのだろうが、月の自転と公転が綾な…

居待月と木星(月齢17.068)

左下に木星、右下に赤く妖しいアルデバランを従えた月は、肉眼で見た美しさと裏腹にスコープ越しのアップは耐えきれないほどユラユラと頼りない。一見すると穏やかな夜空だが、ここ数日では最悪の大気コンディション。地表は穏やかだけど、上空は偏西風が吹…

立待月(月齢15.988)

理屈が分かっていれば当然なのだが、満月の出と日没は概ね同時刻となる。 今宵は東京の月の出が17:38、日没は16:47だったので、月が昇り始めたのは日没後小一時間経ってから。 この時間差を立ったまま待てるほどという意味で立待月。さらに居待月、寝(臥)待…

十六夜(月齢15.018)

こちらもまた「いざよい」だけど、十五夜であることの多い満月と区別する意味を込めて十六夜を選択。 今朝の4:49、満月を迎えた直後に西没。今宵再び地平を超えた月は、肉眼でも僅かに分かるほどの欠け具合。 撮影時点で地球から404,386km。一日で青森-鹿児…

十五夜(月齢13.953)

栗名月は旧暦十三夜だったが、今宵は十五夜、そして明払暁4:49は満月を迎える。 だが月没時刻が5時頃とあっては満月観望もままならない。8時間ほど早すぎるが十五夜の月を撮影してみた。 それにしても月が遠い。 50xアイピースを用いての満月撮影の常用焦点…

上弦の月(月齢6.918)

何しろ1972年の曲だし、吉田拓郎の「旅の宿」を知っているのはせいぜいアラフィフ辺りからか。 「浴衣のきみは尾花(すすき)の簪(かんざし)」とか「上弦の月だったっけ」などといったフレーズが歌われていることから、今宵の月あたりが頃合いかと思う。別…

七日月(月齢5.861)

今宵はオリオン座流星群が極大を迎える。新月なら理想的なのだが、月齢6の月はそこそこ明るい。 月没の22時以後、東の空を昇るオリオンの右腕辺りを注視することにしよう。 撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース) / CASIO EX-Z850 / 横浜市

十六夜(月齢15.380)

旧暦十六夜は「いざよい」と読む。「ためらう」を意味する「いざよう」が語源で、前夜の満月より遅い月出を「躊躇う」と感じた古人の感性が生んだ呼称だ。 同音で不知夜月の字を当てることもあるが、こちらは夜と思えぬほど明るく照らす月といった意味なのだ…

下弦の月(月齢21.980)

日中はまだまだ暑いけど、夜は秋めいて過ごしやすくなってきた。 虫の音を聞きながらのお月見はまた格別の風情。 今宵の月は木星にエスコートされているようだ。デジタル一眼レフで撮ってみたけど今ひとつパッとしない。 高度が上がりきれない地平が写り込む…

青い満月(月齢13.910)

グレゴリオ暦ではひと月に二回満月が巡ることがあるが、最近は月内二巡目の満月をブルームーンなどと小洒落れた呼び方をするようだ。今夜を逃すと次は2015年7月31日まで待たねばならないのだからそれなりに希少ではあるかもしれない。 だがブルームーン本来…

小望月(月齢12.895)

今宵は旧暦十三夜。満月まで丸一日を残しているので、拡大した月は見かけの左側がまだ闇を脱しきっていない。 古人はわずかに欠けた十三夜の月を小望月と呼び、満月(望月)と等しく美しいと愛でたという。なかでも旧暦長月(九月)の十三夜は「栗名月」と呼…

八日月(月齢7.748)

視力の老いた目には綺麗な上弦月と映ったのだが、スコープで拡大してみると一日遅れの感がある。調べてみたら昨夜の23時頃だったようだ。残念。 ほんの数分ベランダに出ただけなのに、嫌というほど蚊に刺されてしまった。 油断大敵、まだまだ虫除けが必須の…

朝に没する不知夜月(月齢15.660)

日の出に追われるように十六夜の月が沈んでいく。昨夜の月出時点では未だ満月かと見紛うほどに丸かった輪郭も、見た目にはっきり欠けている。満月を折り返した月のダイエットが加速する。 撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース) / CASIO EX-Z8…

木星

今年一月に撮影した木星と比べるとかなり遠ざかっていることが実感できるけど、相変わらず夜空での存在感は王者の風格。 小口径のデジスコでも100枚以上をコンポジットすれば多少は見られる画像となるようだ。 撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイ…

明けの明星(金星)

8/1〜8/7は「スター・ウィーク2012」だそうで、各地でいろいろな催しが行われている。 だからということでもないが、未明の東に輝く「明けの明星」撮ってみた。 6/6の太陽面通過が記憶に新しいところだが、当時の新月状態から半月状に近いところまで満ち…

真夏の望月(月齢13.494)

より正確には本日正午過ぎに満月となるのだが、その時間に満月が照らしているのは地球の反対側となる。撮影した1時16分は11時間ほどフライングだが、概ね満月ということにしておこう。 向かって右側の輪郭は明瞭だが、左の輪郭が僅かに翳っている。輝度100%…

十九夜(月齢18.955)

高度が低いので揺らぐ大気の影響を大きく受けている。小刻みに暴れた輪郭が雄弁だ。 撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース) / CASIO EX-Z850 / 横浜市青葉区 / 2012/06/26

十日夜(月齢9.737・9.799)

月の古名が俄然情緒的なのは満月を過ぎた不知夜月(十六夜)から下弦の頃にかけてではなかろうか。立待月に居待月、そして臥待月(寝待月)から更待月と続く古称は日々遅くなっていく月の出の時刻を反映しているが、光源氏もかくやと思わせる妻問婚の趣があ…

七日月(月齢6.804)

久しぶりに見た月は、かすかに青味を残す南西の空を駆け足で降りていく。 そういえば梅雨の晴れ間は大気が安定しているはずだと家路を急ぎ、慌ててセッティング。 月の満ち欠けは普遍の時間を刻むけど、凡人の観念では早かったり遅かったり。修行が足りない…

金星の太陽面通過

何ヶ月も前から宣言し、日中の仕事を断ったというのに、関東南部は太平洋上の台風3号に祟られ朝から時折雨模様の薄暗い曇天。恨めしく見上げる空は幾層もの雲がまちまちの速さで南に向かっていく。それでも諦めきれずに見上げ続けていたら正午少し前頃から…

十一日月(月齢10.560)

月を望遠鏡で眺めるなら月齢10前後が楽しい。三日月は鋭利で触れがたく、半月は造形に過ぎる。そして満月は平盤だ。おそらく欠け具合も月の立体感を最も際だたせる頃合いなのではないだろうか。さらに月を代表する二大クレーター、コペルニクスとティコの見…