有明の月(月齢25.309)

夜明け前、4時半頃にお月見と洒落込んでみた。
酔狂な時間だが、まぁいつもの夜勤明けなのだ。
夜明け前に東を昇る月は、そろそろ「有明の月」を具現している。
十六夜以降、朝にも残っている月を指す言葉らしいが、
明け染め始める東の空を逃げる月にこそふさわしく思われる。
通い婚の昔、逢瀬の終わりを惜しんで見上げた月と思えば、寒風さえもほのかに艶っぽい。

輪郭がユラユラなのは大気のイタズラ。早い話が風が強かったことによる。
大きな月はスコープで拡大しユラユラに気がつく程度だが、点に過ぎない星々だとキラキラと瞬きが美しい。
月を追って昇ってきた金星などは、スコープ越しでは視直径を超えかねないほどの揺れようだった。

撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース) / CASIO EX-Z850 / 2012.11.10 04:27:24 / 横浜市