旧暦十六夜は「いざよい」と読む。「ためらう」を意味する「いざよう」が語源で、前夜の満月より遅い月出を「躊躇う」と感じた古人の感性が生んだ呼称だ。
同音で不知夜月の字を当てることもあるが、こちらは夜と思えぬほど明るく照らす月といった意味なのだろうか。
いずれも過剰な灯火の元では思いつけそうもない趣がある。
昨夜の十五夜が台風雲の隙間から姿を現したのは、高度を十分以上に稼いだ二十三時頃だった。せっかくの名月も地上の風景と遊離しすぎては風情に欠ける。
来る十三夜(10/27)こそ、ススキの穂越しに昇って間もない名月を眺めてみたいものだ。
撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース) / CASIO EX-Z850 / 横浜市 / 2012/10/01 20:18:21