天体

薄月(月齢27.629)

いよいよ漂う年の瀬の気配に、どの月齢を見ても「今年最後の」と注釈を着けてしまう。季節の移ろいが愛おしくもやるせないのはジサマになりつつあることの証だろうが、歳を重ねることで少しずつ変わっていく四季感は決して悪いものではない。 撮影データ :K…

下弦月(月齢22.640)

下弦の時間は12/18の09:48だが、冬の朝とはいえそこまで待てば昼月となってしまう。夜空の背景が成り立つギリギリのタイミングとして06:30の月に筒先を向けてみた。言うまでもなく今年最後の下弦の月だ。 夜明けの空に凛と輝く姿は肉眼には美しく映えるのだ…

木星

先夜の皆既月食では暗すぎてデジスコのピント出しに苦労を強いられ、時折スコープを木星に振り向けピント合わせに利用させていただいた。全能神のユピテル様には畏れ多いことだ。 あの晩は月にばかりシャッターを切り続けたので、今宵は木星をピックアップし…

立待月(月齢17.306)

日曜日夜の皆既月食から二日経過し、月は右半球の欠け様が目立ってきた。 この頃の月は日没から立って待てるほどの間に姿を現すことに由来して「立待月」と呼ばれる。満月より、少しだけ欠けた十六夜や立待月に風情を感じるのは何故だろうか? 撮影データ :…

十六夜(月齢16.268)

地平に現れたときは押しつぶされてオレンジ色に染まっていた月も、高度を増し白銀の輝きを放っている。 昨夜の皆既日食は見応え十分だったけど、同時刻の月面では太陽が地球の影に入る「日食」が起きていたわけだ。地球には大気があるので、皆既日食でも青い…

皆既月食 最大食(月齢15.347)

完全に地球の影に入っているのに赤銅色に染まる月。理屈で分かったつもりでも、実際に目にすると神秘を感じてしまう。 画像は皆既月食ほぼピークタイムの23時30分45秒。小一時間続いた皆既食だが、実際には地球による本影のど真ん中ではなく下側を通過したた…

天空の神(木星)

木星の英名ジュピター(jupiter)は古代ローマの主神ユピテルの英語読みだが、ギリシャ神話のゼウスと同一神だそうだ。 その大きさや質量のみならずガスの大気が渦巻く姿は、少なくとも太陽系の惑星群を統べる王に相応しく十分な迫力だ。 大口径望遠鏡には敵わ…

十日夜(月齢9.165)

このところ悪天候が続いたので、月を見上げるのは久しぶりのような気がする。 旧暦十日の月を十日夜と書いて「とおかんや」と呼ぶそうだ。古(いにしえ)の呼び名はなんとも風情があるものだね。 上弦を過ぎて日々肥えていく月が満ちる今週土曜日(12/10)、い…

柳眉の月(月齢28.052)

月もここまで薄くなると月の出から日の出直前までの小一時間しか見ることが出来ない。陽が昇ってしまえば空の色に溶け込んでしまい、およその位置が分かっていてさえ見つけ難くなってしまう。 引いた絵面ならまだしも、拡大撮影には条件も厳しい。レタッチの…

有明の薄月(月齢27.050)

昼夜通しの仕事を終え、明ける気配が漂いはじめた夜空に急かされつつ帰宅。急ぎデジスコをセットし、夜明けのグラデーションに呑み込まれそうな薄月に筒先を向ける。このあと突っ伏すように寝床にもぐり込み、陽の陰る午後に漸く起き出して画像処理。この月…

未明の臥待月(月齢20.009)

夜間の作業を終えて屋外に出てみれば、思わず襟をかき合わせるような木枯らし。見上げれば煌々とした月と意外なほどの星々。風故に激しく瞬いてはいるけれど、光害の激しい我が家周辺にしては珍しいほどの星が瞬いていた。 やはりと言うべきか、午前五時の月…

立待月(月齢17.697)

月の出から1時間半ほどは色といい形といい蜜柑のような月だったが、十分高度を稼いだ21時以降は色味の飛んだクリスタルな立待月。地表は無風だし雲の流れも遅いのだが、輪郭はユラユラと頼りない。昼間に暖められた大地から熱気が上がっているのだろうか。 …

木星

id:mhe7200さんのドブソニアンには遠く及ばないが、対物口径82mmでも縞模様はなんとか見分けることができる。 30枚ほどコンポジットで重ねてノイズを除去。所詮は用途の異なるフィールドスコープだもの、まぁこんなもんだろうなぁ。目を凝らせてみるとカリス…

九日月(月齢8.620)

このところ勤務シフトが目まぐるしく変わるので、体内時計が狂いっぱなし。今日も夜間の仕事が明けて、何だかボォ〜と過ごしている。ふらふら頭では鳥見の気分にもなれず、秋の気配はベランダからの月見で味わうのみの体たらく。 上弦から一日経った旧暦九日…

六日月(月齢5.564)

旧暦六日の月は三日月と半月(上弦)の中間的な欠け具合。神酒の海に接したテオフィルスがクッキリ浮かびあがり、南東面のクレーター群が一際美しく映える月齢だ。 こんな月を見上げていると多少の憂さは忘れられそうな気がする。毎度のことながら、無意識に…

更待月(月齢19.510)

中秋を過ぎたとは思えない蒸し暑い風に吹かれ、月の輪郭もそわそわと落ち着かない。旧暦も二十日となり、目立って痩せてきた月が中天を渡るのは夜も随分更けてから。立待月から続く○待月の古名も今宵の更待月で途絶えてしまう。これより遅い月の出を待つほど…

木星

風があり、大気のコンディションは今一つ。コンポジットの前提として出来るだけ多くの枚数を稼ぎたいのだが、流れてくる雲の影響で撮影が捗らない。結局は20枚ほどのコンポジットで妥協せざるを得なかった。 50xのアイピースを用いデジカメの望遠端で撮った…

中秋の名月(月齢14.286)

今宵をあまねく照らすのは言わずと知れた中秋の名月。撮影したのは満月時刻から約30分後だが、輝面比100%の月は正真正銘の満月といって良いだろう。 いつもと趣向を変えホワイトバランスをデイライトの設定し、意図的に黄色味を残してみた。この色に見えるの…

小望月(月齢13.372)

一見すると満月と見紛う月が雲間を渡る。仰ぎ見る周囲からは秋の虫が秘やかな鳴いていささかの風情だが、如何せん蒸し暑い。蚊に喰われながらの観望は夏の余韻を引きずっていて、まだまだススキは似合わない。 何となく普段の月撮りだけでは芸がなさそうな気…

十三夜(月齢12.458)

台風十二号の呪縛から解き放たれて以来、ほとんど毎晩月を仰いでいる。気付いてみれば随分丸くなってきたが、満ちきるのは明後日の月曜日。長月の旧暦十五日は即ち中秋の名月。杯に映る月を肴に一献といきたいところだが、残念なことに週明けは24時間の作業…

九日月(月齢8.245)

ようやく台風12号の呪縛から解きはなたれて、スッキリとはいかないまでも久しぶりの青空。そこに月が昇ってきたとあっては月撮人として座して眺めるわけにはいかない。夜の作業に出掛ける前の慌ただしい時間だが、デジスコを急ぎ組立て南に向かう月に筒先を…

不知夜月(月齢14.734)

暦の上では満月なのだが、実際の月齢と日付のマジックとでもいうべきか、満ちていたのは夜明け前。半日以上経過した今宵の月は既に欠けはじめている。むしろ十六夜(いざよい)と呼ぶべき形状だが、旧暦ではあくまでも十五日。今宵は「不知夜月」の字面を用…

小望月(月齢13.776)

少しだけ雲が薄れた22:18の月。レタッチでトーンカーブをコントロールし、なんとか見られる画像に調整。 満月(望月)の払暁3:57まではおおよそ6時間。暦の上では小望月(幾望)だが、明日の夜に現れる月よりはよほど満月に近い。 撮影データ :Kowa TSN-824…

十三夜(月齢12.714)

これぐらい丸くなってくると満月と見紛う人もいることだろうけど、満ちきるのは明後日の払暁頃となる。旧暦に照らし合わせ十三夜としたけれど、小望月(幾望)といっても差し支えないかもしれない。 満月に近づき、月の照らされ具合はほとんど順光となってき…

無風の月(月齢11.718)

野鳥メインを謳う拙ブログとしてはいささか不本意なのだが、週末の外出がままならず連夜の月撮りでお茶を濁している。今週末こそは鳥撮りに出掛けたいのだが、果たしてどうなることやら。 さて、その月撮りも昨夜までと同じズーム比(f=11.8mm/2838mm相当)…

熱帯夜の月(月齢10.699)

日が暮れても爽やかさが微塵もない熱帯夜。月にスコープを向けてもユラユラと大気がうごめいているようで、輪郭が歪んでいる。 気がつけば随分肥えてきた。満月は日曜未明に迫っている。 昨夜のコペルニクスに続き、今日の最大倍率(35mm換算焦点距離は5700m…

十日夜(月齢9.669)

旧暦十日の月は十日夜と書いて「とおかんや」と読む。 この前後の月齢だと夜を脱したコペルニクスクレーターが月のヘソのように見えるのだが、南半球の盟主ティコクレーターももっとも立体感のある頃合いなので、月を代表する二大クレーターの競演といったと…

六日月(月齢5.656)

肉眼で見る19時24分の西空には仄かな残照が残り、心なしか深い藍色に見えるのだが、月の輝度に露出を合わせると背景はすっかり漆黒となってしまう。 撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース) / CASIO EX-Z850

下弦+半日(月齢22.410)

昨日撮影した月と比較するとトワイライトがかなり浸食してきた。この中間に下弦月があったのだが、残念ながらその時間の月は大地の裏側を周回中。上弦と下弦の半月、そして満月は半日ずれただけでも形が崩れてしまうので、意外にタイミングが難しい。 見たか…

Jupiter(木星)

昨夜というか今朝というか、下弦を過ぎて欠け始めた月に木星が寄り添っていた。久しぶりにスコープで捉えた木星はユラユラ揺れて頼りない。31枚のコンポジットで辛うじて全貌を捉えたが、ジャガイモを31個集めて平均化したらようやく木星っぽくなったような…