小望月(月齢13.372)

 一見すると満月と見紛う月が雲間を渡る。仰ぎ見る周囲からは秋の虫が秘やかな鳴いていささかの風情だが、如何せん蒸し暑い。蚊に喰われながらの観望は夏の余韻を引きずっていて、まだまだススキは似合わない。

 何となく普段の月撮りだけでは芸がなさそうな気がするので、ホワイトバランスの設定テストを付記しておく。

 月は地平に近いほど赤味を帯びるので、ある程度高度が上がっていることが前提。またホワイトバランスの設定はデジカメの機種により差異があるので、あくまでも参考の範囲で目を留めていただければ幸だ。

 地球と同じ太陽に照らされているのだから「太陽光」も設定で良さそうなものだが、我らが地球には大気というフィルターがあり、これにより波長の短い青い光が遮られてしまう。月が地表に近いほど赤黄色を帯びるのは、地球の大気を斜めに貫くことになり、天頂付近以上に短い波長をカットされてしまうためだ。
 で、実際の月の色はと言うと、「かぐや」などの撮影画像を見る限り、総じて無彩色と考えてよさそうだ。そういった理由から「昼白色蛍光灯」で撮影する機会が多いのだが、考えてみればモノクロ設定でも構わないようだ。

撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース) / CASIO EX-Z850