寒風の鳥見にて

ノスリ

 オシドリの越冬池で粘っていたのだが、今日に限ってブッシュの中からなかなか出てきてくれない。しばらくすると目の前にノスリが現れた。気付かぬはヒゲボウズばかりなり、とっくに猛禽の気配を察していたのだろう。オシドリたちも出てこない訳だ。  さすがは猛禽類、眼光の鋭いことよ。とは言えノスリの主なターゲットはネズミや小鳥の類い。オオタカならいざ知らずノスリオシドリを狙うとも思えないのだが、警戒心あっての繁栄だものね。  老眼のロートルにさえ見つけられたのだから、猛禽類を目の敵にするカラスが見逃すはずもない。ハシブトガラスの執拗なモビングにはひたすら耐えていた。  時として予期せぬ野鳥に遭遇できる幸運。やはりバードウォッチングは面白いと思ってしまうヒゲボウズはとうの昔に「沼の住人」だったのだろう。

現実逃避の月面旅行

未明の月と月齢対称

東の地平はほんのりと紫の気配。黒から紺へと移ろい始めた空を未明の月が駆け昇る。  地平近くの金星が瞬いていたので嫌な予感がしていたのだが、案の定スコープ越しの月はユラユラと落ち着かない。撮った中で一番まともなカットでさえガタガタの輪郭で、中には歪にさえ見える画像もあったほど。地平付近は穏やかだったけど、成層圏では偏西風が吹き荒れているのかな。

 このままでは消化不良。以前も上弦・下弦の比較をしたが、欠け具合が同低度な若い月齢の画像を探して左右対称比較を試みた。  左は今未明の月齢24.9で、右は昨年5月24日の日没後に撮った月齢4.8。分かってはいたけれど、やはり月齢が若い方が月面の様相に変化があって面白い。などと思いつつ、早起きしすぎた日曜日。これは昼寝してしまうパターンだな。

 

さぁ頑張ろうぜ

天災と事故の連鎖

 とんでもない幕開けの2024。

 今まさに災害の渦中にいる人も大勢いる中、下を向いてはいられない。表題通り前を向いて頑張るしかない。我らの今は過去の災害を乗り越えてきた結果なのだしね。

ルリビタキ(瑠璃鶲)♂

 こんな時こそ出番のはずだよ青い鳥。  出逢えただけで幸せを感じられるのはトリバカだけかも知れないいけれど、今の我々には些細な幸運さえも糧になる。

 さぁ、明日から日常が始まる。心してかかろう。

初春を言祝ぐ

  明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

2024年元日未明

恒例の初日の出定点撮影の準備中、振り返れば未明の月。 卓上の月齢カレンダーによれば「更待月」となっているが、これは今宵の月のことだろう。昨夜の月呼称なら「寝待月」。二年参りの帰路ならばなんだかシックリくるような。

18年目の定点初日の出

橫浜の月出は06:51だが、地形の関係ですっきり姿を拝めたのは07:05頃だった。  昇りきると同時に頭を抑えた雲を振り切るにはさらに5分を要した。とは言え太陽の運行を超望遠で眺めるとなかなか早いものだ。  という展開で18年目の定点撮影は無事達成できた。  薄雲越しの年もあったけれど、未だ雨雪にみまわれていないことには驚きを禁じ得ない。正直これでは定点撮影を止め難い。元日早朝の小山登りが堪える歳になってきたし、そろそろ途切れても良さそうなものだと思わぬでもない元朝の初苦笑い。

おおつごもり雑感

シジュウカラ四十雀)♂

 父の晩年を目処とするともう十年ほどが持ち時間だろうと想定している。振り返るには尚早だろうが、雑念が如き不満を濾しとればなかなか愉快だった日々が思い出される。今にして想うに非日常の連続こそが輝いていたようだ。

 とは言え老いの染みる身となっては穏やかな日々こそが心地良い。と同時に日々の安寧など都合の良い錯覚だということにも気付いている。ウクライナパレスチナの現状を見るがいい。ご都合主義の正義やら野望が何をもたらすのか、明日は我が身と心得て生きていこう。 とかく人の世の移ろいはトリッキーだけど、巻き込まれる鳥獣や虫は堪ったもんじゃない。彼らにとっては四季に応じた移ろいこそが大事なのだから。彼らにとっての「昨日の続きの今日、そして明日」が脅かされないよう、そして当たり前の小鳥が当たり前に囀る今を慈しもうと思う大晦日(おおつごもり)。

年の瀬のツケ払い

立待月(月齢16.544)

 日没後、立って待っているうちに東の地平を昇り始める。「立待月」など古称の由来には月と星々が夜を支配した時代の人々の思いが感じられる。  ホワイトバランスをカメラ任せにしたところ、肉眼視よりは黄色みを帯びた発色となった。これはこれで悪くないけれど、主観的には銀色じみた輝きをイメージする。  と言うことでレタッチで彩度を落とした。主観の問題ではあるけれど、こちらの方が撮り手の好みには合っている。

 二日かけて部屋の大掃除。積年の塵は凄いなぁ。サボったツケを漸く払い終わりましたとも。月を見上げる余裕が出来たのも懸案の大掃除が済んだればこそ。我ながらよほどの強迫観念だったと思われる。明日からは疲れ気味の心と体を甘やかそうかな。

世界で最古の現生樹種

福王寺薬師堂(野津田薬師堂

  町田市の薬師池公園に隣接する古刹、福王寺薬師堂。前回拙ブログで取り上げたのは2007年の12月10日。図らずも16年ぶり同月同日の再訪となった。

tpong.hatenablog.com

 16年前は落ち葉がカーペットのように境内を覆っていたけれど、今年は少々まばらな感じ。相変わらず見事なイチョウではあるけれど、枝葉の密度には衰えを感じてしまう。

  樹齢不詳とのことだけど、500年は超えているそうだ。そりゃ衰えもするだろうさ。なにしろ撮り手はこの16年でかなりガタが来ているし。

  久しぶりにフィッシュアイレンズを使ってみた。幹の太さが伝わらないのは撮り手のフットワークに問題があるから。修行が足らないなぁ。