寒風の鳥見にて

ノスリ

 オシドリの越冬池で粘っていたのだが、今日に限ってブッシュの中からなかなか出てきてくれない。しばらくすると目の前にノスリが現れた。気付かぬはヒゲボウズばかりなり、とっくに猛禽の気配を察していたのだろう。オシドリたちも出てこない訳だ。  さすがは猛禽類、眼光の鋭いことよ。とは言えノスリの主なターゲットはネズミや小鳥の類い。オオタカならいざ知らずノスリオシドリを狙うとも思えないのだが、警戒心あっての繁栄だものね。  老眼のロートルにさえ見つけられたのだから、猛禽類を目の敵にするカラスが見逃すはずもない。ハシブトガラスの執拗なモビングにはひたすら耐えていた。  時として予期せぬ野鳥に遭遇できる幸運。やはりバードウォッチングは面白いと思ってしまうヒゲボウズはとうの昔に「沼の住人」だったのだろう。