小型の鷹と安全保障

ツミ(雀鷹)♀

【タカ目タカ科】

 オオタカハイタカの近縁だけに猛禽としての貫禄は十分。だがその全高は30cmほどに過ぎず見慣れたハトと同じ程度の大きさ。一回り小型なオスに至っては27cmとヒヨドリとほとんど変わらない。

 とはいえ成りは小さくてもタカであることに変わりは無く、一対一ならハシブトガラスでさえ追い払ってしまうファイター。繁殖期には巣から50m半径を絶対防衛圏とすることが知られている。

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 ハシブトやハシボソガラスを天敵とするオナガはツミの巣近傍の林で繁殖することで安全保障としている。スズメなどを狩るツミも脅威だがカラスはそれ以上に厄介なのだろう。虎ならぬツミの威を借りているわけで、なにやら我が国に似ているような気もする。

 ところが如何せん都会ではカラスが増えすぎた。さしものツミでも防ぎきれないようで、オナガの編み出した安全保障システムは効力を失い始めているらしい。某国が台頭し始めたアジア情勢にも似た成り行きに焦燥を覚えるのはトリバカのヒゲボウズだけだろうか。

- 撮影データ:CASIO EX-Z850 / Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32x)

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