紅葉を泳ぐ

オシドリ(鴛鴦)♂

 いつもの地元雨水調整池だが、生い茂る草木に視界を阻まれて撮影アングルが限られてしまう。僅かな水面域に背後の赤黄に萌える小山が映り込んでいたので、オシドリがフレームに収まるタイミングをひたすら待って撮影してみた。  映り込んだ紅葉はさして鮮やかとは言い難いのだが、夕刻の赤い日差しが良い効果をもたらしてくれたようだ。待った甲斐があったと言うことだろう。  オスの割合が多いのは例年通りなのだが、今季は総じて個体数が少ないようだ。様々な要因があるのだろうけれど、来季以降も途切れることなく越冬してくれることを願ってやまない。

 

高速道路で装甲車!?

NBC偵察車(コマツ

 所用で出かけた仙台からの帰り道、常磐道の中郷SA(上)で遭遇した陸上自衛隊の車両。一見すると4軸8輪の装輪装甲車のようでもあるけれど、それにしては車幅がタイトだったり車高が高かったり違和感アリアリ。ひょっとしたら記憶の隅にあるアレだろうかとその場で検索したところビンゴ、NBC偵察車だった。

重機関銃が装着できるので戦闘可能な車両ではあるけれど自衛程度の装備。あくまでもNBC兵器による汚染地域を検知・識別する為の偵察を行うことが主任務。ちなみにNは核兵器、Bは細菌などの生物兵器、Cは毒ガスなど化学兵器のこと。

 そして愚考。遭遇した中郷SAは福島県を抜け茨城県に入ったばかりのサービスエリア。この車両の主任務から連想するに、ひょっとしたら福島第一原発に関わる任務または訓練ではなかろうかと。とは言え車体にあった「6特防」のステンシルは第6特殊武器防護隊を差し、この部隊は山形/宮城/福島の3県を管轄しているようなので茨城県内での遭遇に疑問が残る。繰り返すけどどこまでいっても愚考ですよ。

 隊員さんたちは交替で休憩されていたようだけど、日々のリスクを思うと頭が下がる。ご苦労様でした。

 補足するが撮影は了解を得ている。それにもちろんM2重機関銃はマウントされていなかった。駐車時は運転席周りを塞いでいたが、走行中は開放してガラス窓になる。全幅も日本の一般道や高速道路の走行を踏まえた幅となっているとのこと。

女子力高しヒドリガモ

ヒドリガモ(緋鳥鴨)

 四季を通して身近なカルガモは外見的に雌雄がほぼ同様*1だが、冬鳥として渡来する他のカモはオスが繁殖羽へと換羽することで派手な羽衣を纏う。別の見方をすればカモの仲間のメスは悉く地味な羽衣とも言える。ヒドリガモのオスは比較的シックな繁殖羽だが、メスより目立つことについては例外たり得ない。

  この時季は繁殖羽への換羽が未了なオスが多く、↑の手前の個体も三列風切が伸びきっていない。それでも奥に寄り添うメスより目立っているが。

  換羽完了間近の個体。尾脂腺*2にクチバシを突っ込み、羽繕い中。

  水面を泳ぐ際は地味そのものなメスだが、上陸して腹部が見えるとなかなかメリハリのある柄となる。 

  色味の派手さはないけれど、カモの仲間ではもっともエレガントなメスではなかろうか。少なくともヒゲボウズはメロメロですわ。

*1:厳密にはオスの方が体色が濃い傾向が見られる

*2:羽の耐水性や柔軟性を保つ為、羽繕いの際に羽毛に塗布する脂を分泌する器官(びしせん)

秋深まるが気温は・・・・

モズ(百舌)♀

 エアコン不要の季節となれば窓開け走行がヒゲボウズの基本スタイル。信号待ちの間は窓外からの野鳥の鳴き声にも耳を澄ます。このところ街中はともかくちょっとした田園地帯や川沿いを走行するとなかなかの頻度で「キィー キチキチキチ」と鋭い鳴き声を耳にする。冬が来る前の縄張り争いが活発なこの時季特有の鳴き声で、高鳴きと言われるモズの威嚇声。童謡「小さい秋みつけた」の一節「呼んでる口笛もずの声」というアレだ。

  獰猛なハンターにして小さな猛禽の異名を持つモズではあるけれど、日だまりでモフッと膨らんでいたりすると縫いぐるみの如き可愛さではある。そして熾烈な縄張り争いから一転、春先の繁殖シーズンが近づくと甘々な鳴き声で異性を求める。いわゆるギャップ萌えと言うのだろか、こうした辺りがモズの魅力なのだろう。

満タン1000Km

 購入以来3年半、昨冬からは仕事でも使いはじめたホンダフィット(Crosster e-HEV)。

tpong.hatenablog.com

 高速主体の遠乗りは年に数えるほどで、もっぱら都市近郊の一般道を50-75Km/日のペースで走行している。低燃費が売りのハイブリッドとは言え猛暑の7~9月は下手をすると20km/L台を維持するのがやっとだった。昨年まで併用していたスズキのスイフト*1が純ガソリン車にもかかわらず真夏でも15~16km/Lだったことを考えると、ハイブリッドの恩恵としては物足りないと思っていた。

 そしてエアコン不要の季節。メーターパネルの平均燃費は28.0km/lをキープ。このクルマの場合は満タン方での実燃費*2と比較し7%前後の誤差があるので実燃費は26km/l辺りだろうけど、それでも真夏とは大違いな燃費をマークしている。エアコンがいかにエネルギーを浪費しているのか体感するには十分な結果だ。

  ヒゲボウズ的にはそれ以上にトリップA+航続可能距離が1000kmを超えたことが驚きだった。航続可能距離はある程度の余裕を持たせた数値で実際には+30km以上は走行可能なはず。つまり無給油1000kmを実感できる数値を達成したことになる。なにしろ一般道を流れに乗って走っている結果の数値、やるなホンダ。

 これから冬に向かってハイブリッド車の燃費は夏よりも悪化しかねない。エンジンの温度を保つための駆動時間が長くなること、そして空調の熱源として電気を消費するためだと考えられる*3。後続車にストレスを感じさせるような低燃費ノロノロ走行をするつもりは毛頭ないが、安全の為にも穏やかな運転を心がけようと思う秋。

*1:スイフト旧モデルZC72Sに仕事用と割り切って2年ほど使っていたが、基本に忠実な良いクルマだった

*2:給油毎に満タンとし、給油量÷走行距離で算出 毎回同一給油機を使うとより正確となる

*3:エンジン車だと冷却水の余熱を暖房に利用できるが、エンジンを冷やしたくないハイブリッド車では熱源として電気を消費する

そのヒコーキに歴史あり

ロッキード P-3C オライオン (Lockheed P-3C Orion) JMSDF

 以前は対潜哨戒機とカテゴライズされていたように記憶しているが、昨今では対潜の二文字が消えて哨戒機と言うらしい。一時は百機近く配備され長きにわたり日本の海を守ってきたP-3Cも、国産哨戒機P-1との世代交代が進みその数を減じている。とはいえそこは貧乏所帯*1自衛隊、一部は電子戦データ収集機など他任務のために改造されつつある。物持ちの良さには定評のある自衛隊*2なので、いずれP-1への更新が終わっても、装いを変えたP-3Cベースの機体は新たな任務で活躍し続けるはず。

  P-3の開発ベースとなったロッキード L-188エレクトラは1957年に初飛行したターボプロップの旅客機。計167機止まりと商業的には失敗し、製造も4年で打ち切られたそうだ。ところがP-3系列は延べ757機*3が製造された哨戒機カテゴリーのベストセラーで、世界20カ国で使用されている。結果的にはかなり長寿な航空機となったわけで、軍用機としての開発に失敗*4し商用機として大成功したボーイング747系列とは対照的な運命ではなかろうか。

*1:あくまでもアメリカ軍と比較しての物言いです

*2:何しろYS-11派生モデルが今でも現役だったりする

*3:ロッキード製650機・カワサキ製107機

*4:アメリカ空軍の次期戦略輸送機計画で競合したロッキードC-5Aギャラクシーに敗れ、民間機として再設計された経緯がある

秋夜は清かに

上弦の月(月齢7.628)

 中秋の名月やら三日月など、月を愛でたいと思うタイミングで曇っていたり忙しかったり。今宵ようやく月にレンズを向ることが出来た。  ここ数日で秋の深まりが加速したような、冷気と覚える夜風を受けながらの観望。僅かな大気の揺らぎはあるものの、そこそこのコンディションで撮影出来た。ただし上弦は12:30頃なので、撮影した18時では5時間半ほど経過していた。  月の輝面比52.613%と僅かに満ち始めてはいるけれど、許容範囲だろうと都合良く解釈。ただしナンチャッテ機材*1の限界か、輪郭に浮く色収差が気に入らない。色収差が気にならないようにモノクロ化したカットを並載したのは、ある意味ヒゲボウズの負け惜しみ。

*1:20年前のフィールドスコープを用いたデジスコシステム

鴛鴦来たらば

オシドリ(鴛鴦)

 地元の雨水調整池に今季もオシドリが飛来。うれしさを禁じ得ない。

 気が付いたのは10日ほど前の夜明け前。目視で池面の数羽を確認するも、仕事に向かうところだったので撮影ならず。さらに数日経った先週日曜日、雨の合間に出向いてみたが池面には見当たらず。ブッシュの中を小一時間ほど探査してようやく見つけたのが下の一枚。  フレーム内に3羽潜んでいるのだがお分かりだろうか。肉眼はもちろん8Xの双眼鏡でも見つけられず、フィールドスコープ(32X)でブッシュ内を丹念に覗き込みようやく見つけることが出来た。

 あれから一週間、満を持しての今朝夜明け前にようやく撮れた遊泳ショット。  背中に立つ三列風切の飾り羽が発達したオスの成熟個体。日の出前の暗い条件だったがなんとか撮影出来た。  さらにこちらのオスは換羽未成の状態。ひょっとすると若い個体なのだろうか。  日が昇るとあっという間にブッシュの中に引きこもってしまった。真冬になれば数も増え警戒心も薄れると思うのだが、今のところ10羽に満たないこの群れはとても臆病に振る舞っている。例年通りなら行政による池畔の草刈りや正月明けのどんと焼きなど騒がしい行事があるはずだけど、無事に越冬してくれるよう祈るばかりだ。