そのヒコーキに歴史あり

ロッキード P-3C オライオン (Lockheed P-3C Orion) JMSDF

 以前は対潜哨戒機とカテゴライズされていたように記憶しているが、昨今では対潜の二文字が消えて哨戒機と言うらしい。一時は百機近く配備され長きにわたり日本の海を守ってきたP-3Cも、国産哨戒機P-1との世代交代が進みその数を減じている。とはいえそこは貧乏所帯*1自衛隊、一部は電子戦データ収集機など他任務のために改造されつつある。物持ちの良さには定評のある自衛隊*2なので、いずれP-1への更新が終わっても、装いを変えたP-3Cベースの機体は新たな任務で活躍し続けるはず。

  P-3の開発ベースとなったロッキード L-188エレクトラは1957年に初飛行したターボプロップの旅客機。計167機止まりと商業的には失敗し、製造も4年で打ち切られたそうだ。ところがP-3系列は延べ757機*3が製造された哨戒機カテゴリーのベストセラーで、世界20カ国で使用されている。結果的にはかなり長寿な航空機となったわけで、軍用機としての開発に失敗*4し商用機として大成功したボーイング747系列とは対照的な運命ではなかろうか。

*1:あくまでもアメリカ軍と比較しての物言いです

*2:何しろYS-11派生モデルが今でも現役だったりする

*3:ロッキード製650機・カワサキ製107機

*4:アメリカ空軍の次期戦略輸送機計画で競合したロッキードC-5Aギャラクシーに敗れ、民間機として再設計された経緯がある