F-Xに関する私見

 F2製造終了、次期戦闘機の選定本格化
 日本の空を今後20年以上、守ることになる次期戦闘機(FX)の機種選定作業が本格化した。

 約10年前に登場したF2戦闘機は27日、国内製造が終了。防衛省が新しい機種を決定する11月末までの作業では、性能や価格だけでなく、日本の防衛産業の維持・育成にどうかかわるかも重要な判断基準となっている。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110927-OYT1T01388.htm

 何かと躓きながらも国産の次期哨戒機(XP-1)と輸送機(XC-2)がラインに乗りつつあるし、救難飛行艇のUS-2も少数ながら配備が進みつつある。民需では航空機製造初参戦のホンダの小型ビジネス機HondaJetも来年からのデリバリーが伝えられ、開発中の小型旅客機MRJは既に130機の受注を抱えるなど、順調な滑り出しだ。漸く初号機がANAに納入されたボーイング787も、全体の35%は日本の企業が担当しているそうだ。 

 そんな中、戦闘機F-2A/Bの製造が終わり、防空の要である戦闘機の製造が途絶えてしまった。次期戦闘機(F-X)の選定はアメリカ製のF-35AライトニングIIとF/A18E/Fスーパーホーネット、英独伊西共同開発のユーロファイタータイフーンに絞られたようだが、日本でのライセンス生産や防衛環境に合わせたカスタマイズの柔軟性はタイフーンに軍配が上がる。防衛庁には米国製戦闘機マフィアが多く、F-35Aがリードしているとも伝えられているが、ライセンス製造が適わずブラックボックスだらけとも伝えられており、国内航空産業にとっては痛手どころではない深刻な事態となりかねない。

 国内の戦闘機生産技術を維持するために是非ともタイフーンを、それも日本の防衛に最適化したJ-タイフーンを採用してもらいたいものだ。


 以下余談

 ごくごく個人的な(しかも感情的な)願望だが、ヒコーキは軍用民間を問わず美しくあってほしいと思う。その点ではロシア製Su-27シリーズやMiG-29は間違いなく米国機を凌駕している。古くはレシプロのP-51DムスタングからF-16まで連綿と続いた優美なラインは過去のものとなり、最近のアメリカ機はほとんどが醜いデザインだ。ステルス技術はヒコーキから美しさを奪ってしまうものらしい。F-X候補に残った3機種のうち、唯一タイフーンに惹かれるのも、皮肉なことにステルス性においてはF-35よりやや劣ることにも起因しているようだ。