おおつごもり雑感

シジュウカラ四十雀)♂

 父の晩年を目処とするともう十年ほどが持ち時間だろうと想定している。振り返るには尚早だろうが、雑念が如き不満を濾しとればなかなか愉快だった日々が思い出される。今にして想うに非日常の連続こそが輝いていたようだ。

 とは言え老いの染みる身となっては穏やかな日々こそが心地良い。と同時に日々の安寧など都合の良い錯覚だということにも気付いている。ウクライナパレスチナの現状を見るがいい。ご都合主義の正義やら野望が何をもたらすのか、明日は我が身と心得て生きていこう。 とかく人の世の移ろいはトリッキーだけど、巻き込まれる鳥獣や虫は堪ったもんじゃない。彼らにとっては四季に応じた移ろいこそが大事なのだから。彼らにとっての「昨日の続きの今日、そして明日」が脅かされないよう、そして当たり前の小鳥が当たり前に囀る今を慈しもうと思う大晦日(おおつごもり)。