衝と合

 今夏は6/11に木星が衝、7/10は土星が衝となる。天候が許す限りは観望&撮影したいと考えているのだが、その前に「衝」とはなにか、ついでに「合」についてもおさらいしておこう。

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衝(ショウ)

  地球視点だと、太陽と真逆に惑星などの天体がある状況。

必然的に木星土星などの外惑星に限った現象だが、衝を迎えた天体は地球との距離も近づく為、明るく視直径も大きくなる。

合(ゴウ)

  地球視点で太陽方向に惑星などの天体が位置する状況。

 地球視点で太陽の手前に天体がある状況を「内合」、太陽の向こう側にある状況を「外合」という。地球視点の内合はその性質上水星や金星といった内惑星など地球軌道より内側の天体としか起こりえない。

 太陽が明るすぎる為、内合状態の天体は通常見ることが出来ないが、太陽と内惑星・地球がほぼ完全に軸線上に並んだとき、天体の太陽面通過が見られる。

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 外合は地球視点で太陽の後ろに天体が位置する為、視認は全く不可能となる。内合があり得ない外惑星の場合は単に「合」で「外合」を指すようだ。

望(ボウ)と朔(サク)

 惑星ではないが、地球視点では月でも「衝」と「合」が起きる。

 太陽・地球・月と直線上に並ぶと満月となるが、広い意味では「衝」に含まれる。月に限っては「衝」といわずに「望」という。その望の月、つまり満月が地球を挟んで太陽と完全に正対すると、月は地球の影に入り月蝕が起きる。

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 一方で太陽・月・地球の順で並ぶ月の「内合」は「朔」と呼ばれる新月となる。太陽と月・地球がほぼ完全に軸線上に並んだとき、地球上の一部地域に月の影が落ちる。影に入ったゾーンでは太陽が月に覆われる日蝕が発生する。

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 というわけで、「衝」が迫ってきた。木星土星それぞれ梅雨にかかりそうなのが不安要素だが観望好機はしばらく続く。厳密に「衝」である必要も無いだろう。カメラ側を一新したデジスコで、そして高倍率アイピースを使う為のなんちゃってDIYがどこまで通用するのか。不安と楽しみ間半ばといった心持ち。