ボイジャー1号

ボイジャー1号、太陽圏離れ未到の星間空間に
米航空宇宙局(NASA)は12日、1977年9月に打ち上げた無人探査機ボイジャー1号が昨年8月25日ごろ、人工物として初めて太陽圏を離れて、「星間空間」と呼ばれる未到の領域に入ったとみられると発表した。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130913-OYT1T00388.htm

光の速度は299,792,458m/s(毎秒約30万km)。日常のなかで光速を意識することはほとんど無い。
だが太陽を発した光が地表に達するまでは8分20秒、月は1.8秒の彼方を周回している。
言い換えるなら、今見上げている太陽や月は決してリアルタイムの姿ではなく8分20秒前、そして1.8秒前の「過去」なのだ。
さらに、肉眼視できる最も遠い天体は数百万光年の彼方*1
月から惑星、そして遠い銀河まで、夜空はタイムマシンに満ちている。

さて、ボイジャー1号が太陽圏を離脱し星間空間に達したそうだ。
太陽からおよそ190億キロメートル、光速でも17時間以上の彼方。
SFでもアニメでもないリアルな世界で、人間が作ったモノがはじめて外宇宙に漕ぎ出した。
アニメの宇宙戦艦ヤマトは10日ほどで太陽圏を離れたが、ボイジャー1号は実に36年を要している。
搭載された原子力電池は2020年頃まで持つそうだが、星間物質の観測データを送りながら力尽きていくことだろう。

その先は無窮の外宇宙。一番近い恒星系ケンタウルス座アルファ星*2だって4.4光年の彼方。
千年から万年の単位で考えるべきだろうが、幸運に恵まれ地球外生命体に拾われる可能性は否定できない。
いや、それこそがボイジャー計画の最終ミッションであり、ボイジャーには地球外生命体へのメッセージが積まれている。

それでもあえて夢を見る。いつの日か地球を旅立つ宇宙船がボイジャーに追いつき、そして回収することを。

NASA ボイジャー計画のサイト>http://voyager.jpl.nasa.gov/

*1:さんかく座銀河:272.5万±34.5万光年 もしくはアンドロメダ銀河:254万光年

*2:三つの恒星がある三重連星 惑星が発見されているが生命存在の可能性は低い