椋鳥(ムクドリ)

【スズメ目ムクドリ科】
 かつてこの国が農業を基幹産業としていた頃、田畑に害なす虫を捕るこの鳥は「益鳥」と呼ばれていた。そして田畑を潰し人工的な街が増殖しはじめた現在、街に適応した彼らは糞害や騒音を咎められ「害鳥」と呼ばれている。
 ではどうだろう、人間がもたらした環境の変化について行けずに減少したり姿を消した動植物の視点に立ったとき、我々は「害人」と呼ばれて然るのではないだろうか。いや、生物学的位置づけ*1からすれば「害獣」以外の何者でもない。
 などと、トキの自然孵化を伝えるニュース映像を眺めながらつらつら思ってしまうのだった。

 地味な羽衣だがクチバシや脚は大胆なオレンジ色。顔も見ようによっては道化師のようで、愛嬌らしきものもあるのだが。
撮影データ :<上>Canon EOS 20D + Canon EF400mmF5.6L USM + TELEPLUS300(1.4x) / 2011年04月 横浜市青葉区
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*1:ウィキによれば動物界後生動物亜界脊索動物門羊膜亜門哺乳綱真獣亜綱正獣下綱霊長目真猿亜目狭鼻猿下目ヒト上科ヒト科ヒト下科ホモ属サピエンス種サピエンス亜種だそうだ