瑠璃鶲(ルリビタキ)♂

【スズメ目ツグミ科】
昨日、餌付け(ヤラセ)カメラマンに取り囲まれていたルリビタキポイントに出向いてみた。
幸いなことに今日はそのような輩はいなかったが、一度餌付けにさらされた野鳥は人への警戒心が薄れてしまっている。
年末年始の頃には考えられなかったほど近くに寄ってくるし、人前での滞在時間も長い。
確かに写真は撮り易いけれど、野性味を失った野鳥は明らかに不自然だ。
少なくとも撮影の達成感は得られなくなってしまった。

こと野鳥に限っても餌付けの弊害は幾つかある。
まず採餌を人に頼るようになってしまうこと。渡りの時機を失する原因にもなるようだ。
そして人慣れによる警戒心の低下。自然界の捕食動物にも襲われやすくなりかねない。
またカモの場合は人為的集中による異種交配の多発があげられる。
現実に我が家周辺ではカルガモマガモ(大半はマガモの家禽アオクビアヒルだと思うけど)とのハイブリッドが多数見受けられる。
ほかにも止水系での餌まきは水質の悪化に直結するし、集中による糞害も無視できないケースがある。

そうした生態系の及ぼす問題以外にも、ノンフィクションの"野"鳥撮影であるはずなのに「ヤラセ行為」で撮っているという制作モラルの問題もある。

庭先での給餌に目くじらを立てるつもりは毛頭ないが、餌と人との関連性を見せない配慮は必要だろう。

いずれにせよ、人が姿をさらして行う餌付け給餌は避けるべきなのだ。鳥にとって害こそあれ利など無いのだから。

撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32xアイピース) / CASIO EX-Z850 / 2013年02月 横浜市
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