太陽と太陽黒点

 5/21の金環日食に備えて用意した太陽撮影用フィルター(marumi DHG ND-100000)は58mm径。撮影で用いる予定のフィールドスコープはフィルター径86mmなので、スコープ付属のねじ込み式レンズキャップをくり抜いてステップダウンリングを自作した。
 硬質ビニール製とおぼしきレンズキャップをくり抜き、不要となりガラスを外した58mmのフィルター枠をはめ込み接着固定。それに太陽撮影用フィルターを装着する。
(追記:自作ステップダウンリングに一抹の不安を覚えていたので、撮影後も暫く太陽に晒し続けてみた。不安的中。太陽光に熱せられた硬質ビニールがわずかに膨張し、はめ込んだフィルター枠が簡単に外れてしまう。観望中のフィルター脱落は失明しかねないトラブルなので、再考しなくては。)
 で、練習も兼ねての撮影テストなのだが、太陽を直視できないので掌や無地紙などにデジスコの影を投影。ストロー型照準器の影が抜ければ概略導入出来ている。(写真参照)

 まずは50xアイピースを使用しデジカメ広角端で太陽全景を撮影。金環日食の撮影はこの設定を予定しているが、懸念された導入は前述の方法であっさりクリアできた。問題はむしろフォーカスかも知れない。ノッペリした太陽表面ではAFがまともに機能しない。今回は右下の比較的大きな太陽黒点を目標にMFで合わせたけれど、目立った黒点が発生しない場合は合焦が心許ないと思われる。

 さらに、デジカメの望遠端でクローズアップ。金環日食の本番では不要な設定だが、黒点の周囲を撮影してみた。

 せっかくなので太陽黒点に纏わる少々余談を。
 黒点の表面温度は約4000℃で、通常の太陽表面よりは2000℃ほど低い。また暗い部分を暗部、周囲の滲んだような部分を半暗部というそうな。太陽の直径(約140万km)を根拠に上記画像の大きめな黒点のサイズを求めてみると、半暗部の長辺が約32000km、暗部は約14000kmとなる。黒点とは言え暗部の中に地球がすっぽり収まってしまうほど巨大なわけだ。
 また黒点そのものは太陽地場によって発生する現象だそうだが、黒点が少ない時期と地球上の巨大地震発生は統計上一致しているらしい。因果関係は仮説の域を出ず未だ究明されていないようだが、黒点が異常に少ない現状が続いていることは紛う事なき事実。まだまだ有り難くない期間を脱していないことになるわけだ。 
 
撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース) / CASIO EX-Z850 / 太陽撮影用フィルター(marumi DHG ND-100000 58mm) / 2012/04/01