水鶏(クイナ)

沖縄では ヤンバルクイナ輪禍 のニュースが続いています。生息地を貫く道路以外にもハブ対策で放たれたマングース捨て猫に襲われたりと、ほとんど飛べないクイナを取り巻く環境は日増しに厳しくなって行きます。世紀の発見*1 → 即絶滅 にならないよう念じて止みません。


さて、ヤンバルクイナの同族、クイナの登場です。初めての鳥を見る機会は予測や情報が有る場合がほとんどです。ところが希に出会い頭も起こり得るわけで、このクイナの場合がそうでした。通い慣れたフィールドでこの鳥を見つけたときは、図説で目を通した覚えのあるクイナかな?とは思ったものの、気分は新発見。しばし夢中でシャッターを切りました。
登場済みの バン も同じツル目クイナ科ですが、白黒の横縞模様などこちらの方がヤンバルに住む仲間と外見が似ています。ただし大きく異なるのはクイナもバンも「飛べる」ということ。平地のヨシが茂る湿地や水辺の草むらを好むため、ご多分に洩れず生息環境は悪化・減少しているはず。そういった悪条件に曝されながらも今のところ絶滅の2文字が聞こえてこないのは、一重にクイナが飛行能力を維持しているためのように思えます。

ガイドブックには警戒心が強いと書かれているのですが、どうもこの個体は図太いようで行けば見られるという状況がしばらく続きました。クチバシを除くとモノトーンに見えがちですが、図鑑で見る以上に過眼線の周囲の青さが印象に残っています。

昨年新たに新種のクイナが登場しました。発見されたフィリピン北部のカラヤン島にちなみカラヤンクイナと名付けられたそうです。
http://mytown.asahi.com/okinawa/news02.asp?kiji=1499
この鳥も近種と言われているヤンバルクイナ同様飛行能力がないので、今後の保護対策が肝心ですね。

*1:1981年、日本で最後に(公式に)発見された鳥