鷭(バン)アルビノ幼羽

【ツル目クイナ科】
バンアルビノを掲載したのは昨年10月。http://d.hatena.ne.jp/Tpong/20121009/p1
このときの個体は市の広報にも掲載されたらしく、ずいぶんギャラリーを集めたらしい。

そして一年、同じ池ではアルビノの第二世代が誕生していた。
雌雄不明ながら昨年のアルビノ個体と普通個体がカップリングし、黒(普通)2羽、アルビノ2羽のヒナが孵化したそうだ。

アルビノは長生きできないという定説を覆しての出来事だけに、少々驚いている。
写真は今夏生まれたアルビノ二世。白褐色の体色はもちろんだが、ルビーのような赤い眼がアルビノであることを示している。

一方親鳥だが、アルビノは姿を消し、通常色の親鳥だけが健在。
前述通り雌雄不明だが、似ても似つかぬ二枚の画像が親子関係であることを強調しておこう。

アルビノとは遺伝情報の欠落によって生じるメラニンが欠乏した症状。
視覚障害を伴うことが多く、紫外線による外皮損傷や皮膚ガンのリスクが高いことが知られている。
それにもまして捕食者から発見されやすく、自然界での生存確率が著しく低いのが通例であるようだ。
昨年、親である第一世代を観察した限り視力障害の兆候には気付かなかったが、写真の第二世代幼鳥は明らかに視力に問題があるようで、至近以外はあまり見えていない様子だ。

白ウサギや白文鳥など、ペットの世界では固定されたアルビノや品種改良による白化個体が重宝される。
だが弱者必衰の自然界に関し、アルビノの繁殖はレアケース。
この幼鳥の淡く赤い眼は、滅びの悲哀を宿しているのかもしれない。

撮影データ :〈上〉Kowa TSN-824M + TSE-14WE(32xアイピース) / Canon IXY210F 〈下〉Canon EOS 7D + EF400mmF5.6L USM / 2013年09月 町田市
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