ちょっとだけマニアックなレンズテスト

結局所有レンズの大半をテスト。加筆訂正が多いので、テキストは後ほど再掲載します。

SIGMA15mmF2.8EX FISHEYE ・ SIGMA24mmF1.8EX DG ・ EF35mmF2 ・ EF50mmF1.8II ・ SIGMA50mmF2.8EX MACRO ・ EF85mmF1.8USM ・ EF100mmF2.8 MACRO USM ・ EF400mmF5.6L USM(再テスト) ・ EF17-40mmF4L USM ・ EF70-300mmF4-5.6IS USM

テスト画像URL>http://www.imagegateway.net/a?i=JnLgcwzDqr

  • 撮影ボディ:Canon EOS 5D・Mモード 1/125sec・ISO100(一部ISO50)
  • 光源:2メートル上方からモノブロックストロボ(COMET Twinkle04F-II)でホワイトアンブレラバウンス
  • 測光:入射式単体フラッシュメーターで測光・モノブロックストロボのバリエーターで光量調整
  • 後処理:DPPでRAW現像とJPEG変換・リサイズ4368×2912 > 2184×1456


というわけで、ざっとテストの雑感など。2回にまたがったのでレンズごとに再整理しました。
尚、このテストで見えてくるのはレンズのピント精度や解像度、そして周辺光量や歪曲収差。発色傾向や色収差はあてにならないのでご容赦ください。またテスト用のターゲットがA4サイズということもあり、相対的にマクロ域でのテストとなっています。歪曲や周辺光量は中〜遠距離だと傾向が異なる場合もあるのでその点もご留意ください。
今回はメジャーや直角定規、それに水準器を駆使してターゲットボードとカメラの直角精度にかなり気を遣ったつもり。照明もターゲットボード状で照度ムラが1/10AV以内に収まるようにしています。仕事撮影の合間とはいえ、結構時間がかかりました。でもレンズの癖を知っておくのは仕事・趣味の両面で重要です。もっと早く実行すべきでした。


SIGMA 15mm F2.8 EX DIAGONAL FISHEYE
レンズ先端とターゲットとの距離は10センチ足らず。
ターゲット周辺部と中心では距離が倍以上違うのでF11まで絞ってもパンフォーカスになりません。
画質はなかなかシャープ。周辺光量に不足がないのは無理な歪曲補正を施さない魚眼レンズのメリットですね。


SIGMA 24mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO
F1.8の大口径と最大撮影倍率0.37xが魅力のレンズ。
開放だと少し甘い印象で周辺光量も不足気味。F5.6だと申し分のない描写です。
歪曲はちょっと変則的な樽型だけど、中〜遠距離だともう少し目立たないようです。


Canon EF 35mm F2
開放だと中心も少し甘いかな。周辺減光も見受けられます。F5.6では改善されているので実用上は問題なさそうです。
単焦点の35mmにしては樽型の歪曲が目立つように思えるけど、この辺りは値段なりなので納得の範囲。


Canon EF 50mm F1.8 II
開放のサンプルが甘いのはピントがずれているのかも。F5.6の中心はシャープだし、F11では全域問題のない解像度です。
ただ50mmにしては歪曲がきついなぁ。値段を考えれば文句ないんですけどね。

  • 5/8追記:ピンぼけ疑惑を晴らすべく再テスト。AFとマグニファイヤーまで使ったMFで撮ってみたけど開放の甘さは変わらず。やっぱり値段なりなのかなぁ。一応一段ごとにテストしましたが、中心部の画質は僅か1/3絞ったF2で格段に良くなります。ただSIGMA50mmF2.8EX MACROの開放と同等の周辺画質を得るにはF4以上絞る必要がありました。歪曲収差も含め、ちょっと悲しい結果です。


SIGMA MACRO 50mm F2.8 EX
コーティングが改良される前のモデルだけど、いきなり開放からの高画質なのには驚きました。
歪曲もほとんど押さえられているし、正直なところここまで良いレンズだとは思っていませんでした。
唯一アラを探せば開放での周辺減光かな。


Canon EF 85mm F1.8 USM
評判通りの高画質。開放から安心して使えます。非Lだけど単焦点レンズの魅力そのものですね。
ただこのクラスのレンズにしては樽型の歪曲が残念でした。


Canon EF 100mm F2.8 MACRO USM
知る限りでこのレンズの欠点は絞り羽根の形状と重量。
この類の実写テストでは超優等生ですね。開放から全域シャープだし歪曲も目立ちません。


Canon EF 400mm F5.6 L USM
初回のテストでは少し甘い印象だったけど、再テストでは開放からなかなかの解像感。
やはりピント精度の問題だったようです。これならLに恥じない画質ですね。


Canon EF 17-40mm F4 L USM
17mmの開放画質が甘いのはAF精度の問題かも。
17mmだと撮影最短距離を超えていました。近づきすぎてピントが合っていなかったという初歩的なミステイクでした。
それにしても盛大な樽型歪曲に周辺減光。24mmだと歪曲はかなり治まります。
この傾向は近接撮影ほど顕著なようでインテリアや建築などの中〜遠距離ではこれほどの激しい歪曲は現れません。
35mmの画質は歪曲も含めEF35mmF2より高水準。まぁLレンズなんだからこの程度は当たり前かな。

  • 5/8追記:17mmのみ再テストして差し替えました。歪曲は盛大ですが画質は素晴らしいです。


Canon EF 70-300mm F4-5.6 IS USM
廉価な望遠ズームとしては可もなく不可もない画質。気になったのは糸巻き型の歪曲です。
個人的な印象ですが、樽型に歪曲する方が自然なんですよね。ちょっと気になるな。
テレ端の画質は旧モデルのEF75-300mm-4-5.6ISより格段に向上。
ISの効果もかなり高くなっているので総じてコストパフォーマンスは高いと思います。


テレコン評価
ダメ出ししていたEXTENDER EF 2XIIですが、こうしたベンチテストだと悪くない印象。
フィールドでのピント精度と被写体との間の空気層が問題だったということがよく分かりました。


中間リング
近距離の弱いEF400mmF5.6Lで使うべく中間リングを連結で使った場合のデータを知りたくてテスト。
EXTENSION TUBE EF12とEF25の連結では最大撮影倍率0.249xでした。*1
尚、中間リングが厚くなって行くに従って露出がアンダーになるのは外部露出計で計測し、補正をかけていない為です。
ちゃんと理屈通りに結果が出てくるもんですね。

*1:イメージセンサーの長辺]÷[実写した長辺の実測値]=[撮影倍率]