月と土星の大接近
月の話ばかりで恐縮だが、なにとぞおつき合いのほどを・・・・
サブタイトルの「大接近」という表現には難がある。ここでいう接近とはあくまでも地球からの「見かけの近さ」なので、相変わらず土星は十数億キロの彼方。一方の月は撮影時点でおよそ40万キロなので、ナニヲカイワンヤなのだ。とは言えどなかなか得がたいシーンではあるので、早朝5時の観望となった次第。
▲ 2019/03/02 05:04:13(月齢24.958)
-Canon EOS 7D・EF400mmF5.6L USM + ExtenderEF2XII(合成値800mmF11)
-F11・1/50sec・MF・ISO800・トリミング(30%)・リサイズ
まずは下弦月のときと同様の月面撮影。
地球からは403,403kmなので、2/20のスーパームーンと比べると5万km近く遠のいている。
▲ 05:11:11 この時点がピークタイム。
画像をクリックして大きくしないとわかりにくいのだが、月の対角側(右上)の小さな白点が土星。直径116,464kmと地球の9倍、月の34倍、太陽系で2番目の巨大惑星も芥子粒がごとし。(ちなみに地球の直径は12,742km、月は3,474km)
▲ 05:46:11 漆黒から群青へと移ろう。わずか30分だが,肉眼でも分かるほど距離が開き始めている。空の色は実際にはもう少し明るくなっていたと思うのだが、再現すると土星が消えてしまいそう。
-Canon EOS 7D・EF400mmF5.6L USM・F5.6・1/50sec・MF・ISO800・リサイズ(上記2枚共通)
おまけ
画像処理中に気がついた。
モニター上の芥子粒土星を拡大率100%でチェックするとなんだか流れている。ブレにしては月がシャープだし、シャッター速度も被写体ブレを起こすほど遅くはない。目を凝らすとぼんやりとアノ形が見えてくる。
左の拡大率100%(等倍切り出し)から思い切り拡大したのが真ん中の画像。そう、なんとなく土星なのですよ。
土星を撮ったのだから土星が写っていて当然だろうと思われるかも知れないが、正直なところ予想外というか望外の成果。センサーサイズがAPS-Cのカメラに400mmだと、望遠鏡としての倍率は12.8倍とせいぜい双眼鏡程度。しかも口径の小さな400mmF5.6でなんとなくリング(らしき滲み)が写っていたことには感動さえ覚えている。
やはり写真は正直だ。
撮影レンズについて(2019/03/03追記)
Canon EF400mm F5.6L USM
はてなダイアリー以来、ヒゲボウズが掲載する写真のおそらく80%はこのレンズで撮影している。2004年に程度まずまずの中古で購入した。以来15年間、故障もなく付き合ってくれている。
驚くなかれ1993年発売にもかかわらず、カタログにラインナップされた現行販売製品。キヤノンの現行EFレンズではかなりの古株のハズ。
Canon 単焦点超望遠レンズ EF400mm F5.6L USM フルサイズ対応
- 出版社/メーカー: キヤノン
- メディア: Camera
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
手ぶれ補正非搭載・非ズームの単焦点・最短撮影距離3.5mなどなど、スペック上は古色蒼然なのだが手ブレにさえ気をつけていれば決して裏切らない画質をもたらしてくれる。
「相棒」と呼ぶにふさわしい道具だ。