接写リング連結時の撮影倍率

 レンズ交換式の一眼レフだと、一部のレンズを除き、カメラボディーとレンズの間に接写リングを挟むことで最短撮影距離をより短く、つまり最大撮影倍率を高くすることが可能だ。このところ使用機会が多いので、実際の使用に照らし合わせて最大撮影倍率を検証してみた。
 所有している接写リングはキヤノン純正の旧タイプ(EF-Sレンズ未対応)、エクステンションチューブEF25とEF12。EFレンズと組み合わせた場合の撮影倍率はキヤノンから公表されているのだが、連結した際の撮影倍率までは公表されていない。組み合わせて使用することの多いEF100mmF2.8マクロUSMとEF400mmF5.6L_USMについて、最大撮影倍率を実写画像から計算してみた。

 まず単独で等倍撮影が可能な100mmマクロの場合、公表された最大撮影倍率はEF12で1.19x、EF25だと1.39xとなっている。EOS5Dを使ってEF12+25の最短でスケールを撮影すると横が21.7mmとなった。イメージセンサーの実寸(W35.8mm)を撮影した21.7で割って得られるのが最大撮影倍率なので、連結使用だと1.65xという値だ。最短距離での撮影時、ピントの合う仮想平面はフルサイズ機で21.8x14.5mm、APS-Cサイズ(22.3x14.9mm)機だと13.5x9mmということになる。翅を広げたテントウムシが画面一杯に収まる感じだな。

 続いてEF400mmF5.6L。単体だと0.13x、EF12で0.16x、EF25だと0.21xが公表値。上記の手法でEF12+25の実写テストを行って導き出した最大撮影倍率は0.25xで、仮想平面がフルサイズ機144x96mm、APS-Cサイズで89.2x58mmという結果となった。花や蝶の撮影では無いよりマシってところだが、単体時と比較すれば約2倍の撮影倍率を稼げるわけで、これまでも使用頻度が高かったことが肯ける数値だ。