初日の出

神奈川では暖冬を象徴するかのような初日の出。
上空を航過するヒコーキはコントレイルを描くこともなく、
望遠レンズを通して見る地平もユラユラと陽炎の如き光景。
輪郭の定まらぬ太陽だった。

自宅マンション敷地内の高台から望む定点撮影も10年目。
雲越しの年もあったけれど、元朝の晴天は紛れもなく続いていることになる。
大した特異日ではあるね。

さて、昨年6月来半年ぶりの更新となってしまった。
多忙やネット環境の不具合、そして腰痛などあれこれ理由はあるけれど、
やはり気持ちの張りが緩んでいたのだろう。
細々とではあるけれど、なんとか続けていこうとは思っている。
気長に見守っていただければ幸だ。

背黒鶺鴒(セグロセキレイ)幼羽

【スズメ目セキレイ科】
「駐車場の鳥」などと揶揄されるハクセキレイは、セキレイへの先入観を覆すほど水辺から離れて暮らしていたりする。
一方のセグロセキレイは水に固執するようで、このあたりの適応力がハクセキレイとの逆転を許した原因かも知れない。
そんな事情でハクセキレイに押され気味のセグロセキレイだが、河川の中上流域だとまだまだ健在だ。

成鳥となれば黒白が明瞭なセグロセキレイだが、幼いうちは濃いめのグレーを基調としている。
時期的にまだ親離れできていないようで、河原のそこかしこで幼鳥が親鳥を追いかけ回していた。
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長元坊(チョウゲンボウ)成鳥♀・幼羽♀

ハヤブサハヤブサ科】
先日遭遇した母娘のチョウゲンボウ、ようやく撮影画像の整理が追いついた。
まずは成鳥♀のホバリング(停空飛翔)から。

チョウゲンボウハヤブサの仲間だが、狩りのスタイルはかなり違う。
ハヤブサはもっぱら空中の鳥を狩るので、高速追尾および急降下によるキックと空中キャッチを得意としている。
一方のチョウゲンボウは地上の小型哺乳類や爬虫類、昆虫などが主な獲物。
小型の鳥類も捕食するが、上空から地上を襲うことを得意としていることに変わりはない。
地上の狙いを絞り込み機会をうかがうため、ホバリングを得意とするのは必然なのだろう。

キィキィと甘ったれ声で親を呼ぶ幼鳥の視線は親鳥を捉えて放さない。
すでにホバリングもこなせるようだが、狩りの腕は半人前にも充たないようだ。

よく見ればあどけない表情なのだが、親と変わらぬ大きさで甘える様はなんとなく人間界を彷彿させる。
「ダルマさんが転んだ作戦」で近づけた分だけ、警戒心も発達途上なのだろう。
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長元坊(チョウゲンボウ)成鳥♀・幼羽♀

ハヤブサハヤブサ科】
入手間もないクルマを駆って、オオヨシキリを見るべく某川へ。
ところが、川面をかすめるツバメ以外これといった野鳥を見かけない。いや、鳴き声さえ聞こえてこない。
その理由は、チョウゲンボウの親子と遭遇したことで納得できた。

手前が母鳥、そして奥の幼鳥は成鳥と大差ないほどに成長している。
母親の掴んだバッタをおねだりするのだが、親鳥は簡単には渡さない。
焦らしながら、少しずつ自立を促しているようにも見える光景だった。

重そうな獲物を抱える親鳥がレンズの至近を横切った。
夢中でシャッターを切るも、獲物の正体が分からない。
チョウゲンボウとの対比から大きさを推定しつつ、連続撮影したカットを精査したところ若スズメのようだ。
一瞬の油断で狩る側と狩られる側の境を越えてしまうのが野生の世界。
残酷と思うことなかれ。これもまた生命連鎖の断面なのだから。
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さてさて、某猛禽にあやかったナンバープレートが早速の面目躍如。
なにしろ鳥見初出撃でいきなり「親類」と邂逅だもの(笑)

オオルリ色からカワセミ背色へ

先週早々、忙しさにかまけて風邪の自覚を放置していた。
罹りはじめこそ喉痛とかすれ声程度で済んでいたものが、翌日からは熱でふらつくわ、咳で眠れないわ。
ようやく医者の診断を仰いだのが木曜日。診療やら説教やらで、気管支炎のご託宣。
「拗(こじ)らせる」とはこのことか。やはり放置はいかんなぁ。
と、ヒゲボウズが朦朧としている間に納車の日取りと相成った。

14年と10万キロを共にした老フォレスターから最新のエコカーへ。
トリバカとしてはオオルリ色からカワセミ背色への交代とも映るし、ナンバー4桁も某猛禽にあやかった隠れオタク仕様。

現時点ではプラグインHVやEVおよび燃料電池車をのぞき、化石燃料オンリーで走行するクルマとしては最もエコなクラス。
ディラー復路と所用で走り回った今日一日の燃費は22km/L。
一般道のみ、数回ほど日曜日ならではの渋滞に遭遇したことを思えばまずまずの出だしだろう。

まずはよろしく、FITくん。先代同様「めざせ10万キロ」のつもりで行こうか。

小鯵刺(コアジサシ)

【チドリ目カモメ科】環境省レッドリスト危急種(VU)
このところ休みの日に所用が重なり、鳥見もままならぬ日々が続いている。
それでも多摩川沿いの道路を移動中、堰堤上空を飛ぶ鋭利なシルエットが目に留まった。
今年も彼らが帰ってきたと気づいた瞬間、フロントグラス越しの初夏が弾ける。

アジサシ類の飛翔姿勢は並み居る鳥類の中でもずば抜けて美しい。
美しく飾った鳥は数あるけれど、シルエットだけでこれほど魅せる鳥はそうそういない。

川面を見ながら飛行し、獲物の小魚にロックオンすると逆落としにダイブをかける。
停空飛翔(ホバリング)の瞬間、コアジサシの機能美が凝縮された。
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