軽鴨(カルガモ)♂♀

【カモ目カモ科】
毎年5月ともなれば、カルガモの子育てニュースが一度や二度は流れるもの。
事実、この時季の川筋などを歩けばカルガモの親子と遭遇することが少なくない。
かく言う髭坊主も偶然撮影したカルガモの親子を専門誌に掲載していただいたことがある。
ありふれた鳥種などと無視してしまえば罰が当たりそうだ。

ところで、メディアが話題にするのは人工的な環境での子育てであることが多い。
大概は大勢のギャラリーに囲まれて、10羽前後のヒナガモが愛らしさを振りまいている図だ。
だが、自然環境だとそんな光景が見られるのは短い期間に過ぎない。
ピークには10羽を超えたヒナたちは日一日とその数を減らし、最後は1〜2羽が巣立てば御の字というのが現実。
野生の世界はそれほどの捕食圧に晒されているのだ。
もっとも、全てのヒナが巣立つようではそこいら中がカルガモだらけになってしまう。
8〜12というカルガモの産卵数は、それだけのリスクを前提としているわけだ。

本来臆病なカルガモは、近づくヒトとは一定の距離を保とうとする。
さもなくば草むらに隠れるのだが、これが案外見つけにくい。
だが都市近郊のカルガモはすっかり餌付けされ、ヒトの姿を見れば寄ってくる。
狭い池などで餌付けされ集中定着した結果、アヒルマガモとの異種交配が頻発している。

メディアも美談仕立ての安易な餌付け報道を慎み、餌付け行為の弊害周知に転じてほしいものだ。
撮影データ :Canon EOS 20D + EF400mmF5.6L USM / 2013年05月 横浜市
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