軽鴨(カルガモ)

【カモ目カモ科】
 カルガモはその名に反してカモの仲間としては重量級。どうやらこの名は万葉の昔の「軽の池」に由来するらしい。奈良県橿原市にある剣池の古名とする説があり、万葉集に残る紀皇女(きのひめみこ)*1の恋歌に池の名とそれらしき鴨が詠み込められている。

    軽の池の浦廻行き廻る鴨すらに玉藻の上にひとり寝なくに*2


 ところで、我が徘徊エリアではカルガモとアオクビアヒルの交雑が多いようで、河川・止水を問わず少なからぬ確率で交雑と疑える個体を見かける。
 カモの仲間では交雑が自然発生的に起こることは承知しているけれど、あまりにも多い交雑の背景には捨てられたアヒルが野生化して公園池や河川に定着していることと、不用意な餌付けによるカルガモの集中及び定着化に原因があるように思えてならない。
 そろそろ行政レベルでの対策が必要だと思うのだが、餌付けに対するメディアの姿勢は未だに美談仕立てだものなぁ。

撮影データ :Canon EOS 20D + EF400mmF5.6L / 2011年10月 東京都町田市
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*1:飛鳥時代の皇族で天武天皇の皇女

*2:「軽の池を泳ぐ鴨さえ玉藻の上で独り寝しない」といった意味のようで、今時の直接的な物言いでは「君と夜を過ごせない私の気持ちをどうしてくれるのよ」と言ったところか