夜明け前の月(月齢21.660)

 午前5時41分、天頂やや西で輝く二十二日月。さすがにこの高度だと大気の揺らぎが少なく、輪郭のがたつきも少しは納まってくれる。けど、天頂プリズムをもたないデジスコシステムゆえに苦しい姿勢を強いられてしまい、夜明け前の冷えた空気との合わせ技で起き抜けの腰痛持ちには堪える観望となってしまった。
 さて、7時間前に撮った昨夜の昇りたてと比べるとトワイライトゾーンがいっそう浸食し、マウロリュコスなどが闇に飲み込まれている。この月齢になると意外に広い面積が黒っぽくノッペリしていることに気付かされる。いわゆる"海"と呼ばれる地形だが、もちろん本当の海ではない。この黒っぽい色は冷えて固まった玄武岩の層で、ウサギの餅つき模様の正体でもある。溶けた玄武岩が広がってクレーターなどを覆い隠し、冷えて固まった地形だそうだ。現在の月からは想像すら難しいダイナミックな活動だ。

半月(下弦)は明日29日の未明。果たして起きられるかな。
撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース) / CASIO EX-Z850