救難飛行艇US-2

正月休暇中の里山で、耳慣れぬ重低音が降ってきた。
咄嗟に見上げた樹間を海上自衛隊のUS-2救難飛行艇の4号機(量産型2番機)が航過していく。
なにしろ試作機を含めても4機しかない超レアな、そして超高性能な飛行艇
なにが凄いって、波高3メートルで離着水出来るその耐波性能。そして4700kmに及ぶ長大な航続距離。
例えば空港のない小笠原で本土に急送する必要のある急患が発生した場合、その任務をこなせる航空機は前身モデルのUS-1AとこのUS-2しか存在しない。
新たに余圧キャビン得たUS-2は、患者や被災者の負担を軽減する切り札的な存在だ。

本機の任務は救急搬送だけではない。遭難海域で遭難者を発見し救出することこそ主任務とされている。
コンバットレスキューミッションを想定した洋上迷彩塗装も、その目的からすれば当然の帰結といえそうだ。
この種の飛行艇を開発し運用することは、海洋国家としての矜恃だとさえ思う。

ヒコーキファンとして見たい現用機種の三指に入る憧れの機体との初邂逅は生憎の里山疎林。
たった一枚撮れた写真が枝被りのこの始末なので、少々レタッチで遊ばせてもらった。
願わくば離着水のシーンを見てみたいものだ。