牛繁縷(ウシハコベ)

ハコベの仲間はどれも似たような花で識別が難しいのですが、ウシハコベだけは顕著な特徴がありました。他のハコベは雌しべの柱頭が3本なのに、ウシハコベでは5本なんです。相変わらずハコベとコハコベの識別が出来ない私には有りがたくも優しい花でした。
さて、このウシハコベハコベなどは麦作伝来に伴って浸入した外来種だそうです。こうした古い時代に帰化した植物を「史前帰化植物」と呼ぶのだそうですが、この言葉をキーワードに検索するとそのリストに連なる植物に驚くことになるかも。春の七草に数えられるナズナや草餅のヨモギさえもが帰化植物だったんですね。
我々日本人に流れる弥生の血は稲作と共にやって来たのだし、それ以前の縄文期にも多方面からの血の流入が起こっていたわけです。「史前帰化動物」が「史前帰化植物」に驚いていたら洒落にならないのかも知れません。

  • EOS 20D・EF100mmF2.8MACRO USM + ExtensionTubeEF25・ISO400・1/80sec・F4・マクロリングライトMR-14EX