大賀蓮 -傘下の小宇宙-

 ほぼ満開となった蓮田には日の出前から大勢のカメラマンが押しかけていた。先週よりは開花が進んでいるのだが、容赦のない直射光と人波に気圧されて撮影のリズムが掴めない。自分も大勢の中の一人だから言えた義理ではないのだが、やはり人の集まるところは苦手だなぁ。

 陽射しに曝された花を撮ろうとすると、カメラを構えた人が多すぎて気が散ってしまう。真っ直ぐ花に向き合えよと叱咤が飛んできそうだが、ギラギラの葉上界よりは密やかで好ましく思えてしまう。修行が足らんなぁ。
撮影データ :Canon EOS 5D + EF400mmF5.6L USM / 2011年07月

立待月(月齢16.132&16.155)

 十六夜を過ぎると立待月・居待月・臥待月そして更待月と日々遅くなっていく月の出時刻を表した古名となる。通い婚の時代を思うと、思い人を待つ身の切なさや狂おしささえ連想してしまうのだが、むろん月の出ぬ夜が漆黒だった時代の話だ。

 ホワイトバランスをデイライトに固定して撮った立待月は、19:59(東京)の月の出から1時間20分ほど経過している。高度が低いからだろう、見た目以上にアンバーが強く感じられるが、これはこれでいかにも立待月のイメージだ。

 さらに30分を経過し、ホワイトバランスをいつも通りの昼白色蛍光灯に設定して撮影。個人的には無彩色に近いこの色が正解に近いと考えている。
撮影データ :Kowa TSN-824M + TSE-9W(50xアイピース) / CASIO EX-Z850