【タカ目タカ科】
主にネズミやモグラなどを狩るノスリだが、それゆえ鷹狩には不適とされ古くは「くそとび」と呼ばれていたそうだ。
人の営みへの利害からすれば益鳥のはずなのに、酷い言われようもあったものだ。
さらに、かすめるがごとく低く飛ぶ「野擦」がその名の由来だが、これは同じタカの仲間チュウヒとの誤認という説がある。
普段の飛行ぶりときたらチュウヒは低空を這い、ノスリこそ「宙飛」にふさわしい高度を飛ぶのだから皮肉な間違いといえそうだ*1。
とどめは和名漢字の「鵟」*2。
おそらくワシタカの中では最も温和な印象のノスリに狂鳥の字を当てるとは、失礼千万な話だ。
などと名前の不幸を一身に背負ったノスリだが所詮は人間界のドタバタ、ノスリの日常には影響しない。
それでも人の引き起こす開発という名のドタバタ劇は彼らの狩場を奪っていく。
RDBにこそ未掲載だが、生息数は減る一方。
ノスリの空を昔語りにはしたくないものだ。