大寿林(オオジュリン)冬羽

【スズメ目ホオジロ科】
葭原に紛れ込む羽衣の柄。
そしてチューリーン、チューリーンと密やかな地鳴き。
冬のオオジュリンは目立たない。
これが夏羽なら、オスは頭部だけ真っ黒に換羽して「黒頭巾」の様相となる。
もっともその時季は湿原で繁殖するので、我が家周辺の河川敷ではもっぱら冬鳥の印象が濃い。

「大寿林」、なにやら分厚い国語辞典のよう漢字和名。
だが彼らが好む生息環境は「樹林」ではなく、前述したように葦の原だ。
後半2文字の「寿林」は「チューリーン」と聞こえる地鳴きに由来している。
さらに本種が「大」なら「小」もいるわけで、「小寿林」(コジュリン)という近縁がそれだ。
ただしこちらはRDB絶滅危惧II類(VU)に指定された希少種で、国内ではわずかなエリアで局地的に分布している。

写真の個体は喉の黒みが乏しいのでメスのようにも見えるが、脚の黒さなどから雌雄不明の幼羽と考えるべきかもしれない。
撮影データ :Canon EOS 7D / EF400mmF5.6L USM + 2Xテレコン / 2013年12月 / 多摩川