一押しの重み

 上のエントリーでヤマガラの撮影に使ったCanonEF400mmF5.6Lはその暗さゆえに被写界深度がさほど浅くないレンズ。それでも被写体まで4m足らずの最短焦点付近だとピントの深さは1cmに満たない。出来る限りヤマガラの目に合焦すべくAFとMFを駆使して追いかけるのだが、その敏捷さを追い切れずピント外れを量産してしまった。
 とは言えピントやフレーミングの手応えを得ぬまま安易にシャッターを切っている気もする。フィルムや現像代を気にしなくて済むのがデジタルフォトの良いところだけど、その気楽さゆえに緊張感を失っているのかもしれない。フィルム時代には当然だったシャッターボタン一押しの重みを思い出すべきなのだろう。それでどれだけミスや無駄なショットが減るかは別として、その瞬間を「連写の流れの中の偶然」ではなく「意図した一押し」で切り取る醍醐味は格別だもの。