鳰(カイツブリ)

カモに似てカモにあらず。水を掻きつ潜りつが変じてカイツブリ。カモ目に対してカイツブリ目という異なった系統に属す水鳥です。全長26cmですからカモの中で最小なコガモの38cmよりさらにふた回りは小さいけれど、カモたちも敵わない潜水漁の名手。一旦潜れば次に浮いてくるのは10メートル以上離れた水面だったりします。濁った水中でどうやって小魚や甲殻類を捕まえているのか、凄いというより不思議な能力だと思います。

余談ながら古名を鳰(ニオ)といい、琵琶湖はかつて鳰海(ニオノウミ)と言ったそうな。

水生植物を集めて浮巣を作ることでも知られていますが、ヒナが大型ブラックバスの餌食になっているとの目撃例もあるようです。生息出来る環境がだんだん減ってきているのが気掛かりですが、一方では都市の公園池に進出してきているという話しもあります。環境の変化(悪化)と適応力の競争なのかもしれません。*1

たびたび見かけるこのポーズは求愛ディスプレイなのかなぁ。他にもコミカルな動作で目を和ませてくれる水鳥です。ヒナを背に乗せて泳ぐ姿を是非見てみたいな。
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*1:例えばカワセミは都市近郊でも増えつつあり、環境の悪化を適応力で補っていると考えることが出来る