鶫(ツグミ)

うん十年前、とある山奥の民宿で鶫酒(焼いたツグミの肉を漬け込んだ燗酒)を呑んだことがあります。トロッとして口当たりの良い酒だったし、漬け込んだ肉も実に美味かった。他にも全国各地にツグミを食材とする郷土料理があったようで、鳥獣保護法が整備される以前、ツグミは食用だったということです*1。そのツグミ猟に使われていたのが今はご禁制のカスミ網。今でもこれを使ったホオジロメジロなどの密猟が摘発され誌面の片隅に載ることがありますね。

そんな受難な時代が嘘のように我が家周辺では晩秋から春にかけて毎日見かけるポピュラーな鳥です。地面の餌を漁りながら時々伸び上がり周囲を伺う様子が、まるで胸を張って威張っているようにも見えて妙にコミカルなので、娘と「イバリ君」ってあだ名を進呈しました。

今朝、公園の芝生に3羽ほど集まってなにやら相談している様子(笑)。普段は単独行動している彼らのことです。群れ始めたのはいよいよ渡り*2の時期が近づいたからかな。
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*1:法は遵守しますが古来から日本の食文化を否定する気はありません

*2:シベリア東部からカムチャッカ方面で繁殖