草の根運動

鳥見に出かけた先で立て続けに野鳥のバンディング調査、つまりカスミ網による野鳥の捕獲と脚環などの標識装着による調査について意見を求められました。その話を振ってきた方々は原則反対の立場。それぞれシンボルマークのステッカーを大砲のようなレンズやフィールドスコープに貼っていらっしゃいました。答えに窮すと、大同小異ながらも「バンディング調査>鳥がかわいそう>悪いこと」との意見を頂戴しました。
私の理解するところ、おそらく運動の起点は一部の不心得な調査や、特定の種類についての捕獲調査はむしろ有害で不要であるとするところから始まったのだと思います。なのでバンディング調査の全面否定は本来の趣旨から離れ、いささか情緒的すぎる見解と思えてしまいます。う〜ん、自分なりに見聞きもし考えているつもりなのですが、見直すべき点があるにせよ声高に反対を叫ぶ気持ちになれないでいます。
さらに考えさせられたのは、某公園で遭遇したルリビタキミルワーム漬けにして囲んでいた巨砲レンズ群の中に例のステッカーを散見したこと。正直なところ、返す刀でそれはないだろうと思うのです。
少なくともバードウォッチャーの草の根活動としては餌付け禁止のムーブメントを広げた方が巨視的に見ても野鳥の保護保全に繋がると思うのです。特に被写体としてのみ野鳥をに接する方々には恣意的な餌付けが横行していることもあり、そうした行為を抑制することの方が市民レベルの愛鳥には繋がるとも思うのです。が、これもまた情緒に支配されすぎた考え方なのかなぁと自問自答の夜が更けます。