帰化毒蛇

昨日のコメント覧は思わぬハブ騒動となってしまいましたが、沖縄本島では外来種の毒蛇ハブが問題になっていました。
南部の糸満では本来石垣島などの八重山諸島に棲息するサキシマハブが定着し、北部の名護では台湾・中国南部・インドシナ半島原産のタイワンハブがやはり定着・帰化してしまったそうです。それぞれ観光施設などでヘビを用いたショー及び薬用として飼育していた個体が逃げ出し定着した可能性が高いそうですが、既に在来種のハブとの交雑も始まっているようで駆除も難しい段階になっています。
ただでさえ攻撃性の高いハブなのに、タイワンハブはさらに敏捷で毒性も強いんだそうで、ちょっとしたブッシュでさえおっかなびっくりだったへなちょこ鳥見人には嬉しくない話しでした。*1

  • 追記(10/18):

もちろん直接的な意味ではありませんが、絶滅に瀕しているヤンバルクイナなど、ヤンバルの森に棲む生き物たちはハブによって守られてきたと言っても過言ではありません。毒蛇としてのハブの存在が開発という名の魔の手を阻んできた一因だからです。
一時は根絶を叫ばれたハブですが、今では自然の鎖として共生すべき生き物であるという考え方に変わってきています。であるが故に不用意な競合種の移入や交雑は長い時間をかけて形成されてきた自然の鎖を壊してしまう危険をはらんでいるわけです。


飛ぶことの出来ないヤンバルクイナにとっての直接的な脅威は、繁殖期における林道での交通事故と、野生化した捨て猫とハブ駆除のために移入されたマングースによる捕食と考えられています。前述の帰化毒蛇だけでなく野良猫やマングースの駆除も急務となりつつあるのが沖縄の現状でした。

*1:サキシマハブの毒性はハブよりやや弱くタイワンハブはハブより強いが、いずれもハブと同じ処方で治療可能