ベニモンアゲハ

 東南アジアに生息し先島諸島がその北限に当たりますが、近年沖縄本島でも定着した可能性が高いそうです。後翅の紋や体が赤いのでジャコウアゲハにも似ていますが、リュウキュウウマノスズクサなど食草から取り込んだアルカロイド毒を体内蓄積しているところもご同様。赤い色は「俺を喰うと毒に当たるぜ」という警告なのでしょうか。

 吸蜜も羽ばたきながらで静止状態を見ることはありませんでした。その為か遭遇したのはボロボロのお疲れ個体ばかり。我が身の過去数十年を振り返ると他人事じゃないよなぁ。

白腹水鶏(シロハラクイナ)

 琉球諸島に生息するクイナで、石垣島西表島ではクルマに乗っているだけでもかなりの頻度で遭遇できます。道端に出てくるミミズなどを餌にしているらしく、アスファルト舗装の道路脇で見かけることが多いからです。それゆえの必然か輪禍率もダントツで、このクイナの轢死体を1日で二桁近く見たほど。やっぱりいつでも止まれる「しま速度」が肝心ですね。

概して飛ぶのが不得手といわれるシロハラクイナですが、近年は北上東進傾向の様子。九州・四国ではかなりの繁殖例があり、関東でも目撃情報が相次ぎ、埼玉県ではとうとう繁殖も確認されたようです。なんだか蝶のツマグロヒョウモンみたいだなぁ。実際の飛っぷりも決してスマートとは言い難く、あれでよく洋上飛行が出来たものだと感心します。

西表島固有のイリオモテヤマネコに補食される動物の中では一番多いとか輪禍率もダントツだとか、何となく悲劇性を彷彿しますが、ところがどっこい個体数はなかなか多いと感じました。実際のところはどうなんでしょうね。
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