忙中音楽あり

洞窟の神話

 スペインのギタリスト、ファン・マヌエル・カニサレスの新譜(といっても昨年だが)。
巨匠にして天才パコ・デ・ルシアのセカンドギタリストを務めていたことからフラメンコギターの出身であることは確かなのだが、最近ではクラシックでの活躍が目立っていた。師匠のパコもマヌエル・デ・ファリャロドリーゴの作品に取り組んでいたのだが、カニサレスはクラシックへの傾倒をさらに深めているように思える。

洞窟の神話

洞窟の神話

収録曲を通して聴いてみた。
フラメンコに立ち返ったかの印象だが、熱情よりは精緻という言葉が真っ先に思い浮かぶ。

今回のアルバム収録内容とは異なるが

いささか勝手な印象だが、トマティートのパッション、ビセンテ・アミーゴの哀愁、そしてカニサレスの精緻。
パコ・デ・ルシアの後継といわれる彼らだが、そろそろ重鎮と呼ばれる歳のはず。それぞれの味を醸しながらの今後にワクワクを禁じ得ない。