尾長(オナガ)

【スズメ目カラス科】
37cm前後とされるオナガの体長ではあるが、その名の由来である尾羽が20cm以上あり、実質的なサイズはせいぜいムクドリ大。
体重も70g前後とあるので、ムクドリヒヨドリよりやや軽量ということになる。
カラス科に属すといってもハシボソガラスの1/6、ハシブトガラスの1/10程の重さでしかない。
これでは営巣中の卵やヒナをカラスに狙われると為す術がないのも道理だが、どっこいオナガには奥の手がある。
カラスに対して優位に立てる小型のタカ「ツミ」の巣周辺で繁殖することで、我が子への脅威を減じようというわけだ。
ところが敵も然る者、カラスの個体数が増えたことでツミだけではカラスの侵入を防ぐことが出来なくなってきたのだという。

オナガの子育てにはカラス以外にも敵がいる。托卵の習性で有名なカッコウがその脅威。
だが、カッコウにもやられっぱなしではない。
托卵による被害が10年に及ぶ頃になると、カッコウを見ただけで攻撃し、巣に寄せ付けないようになるという。
オナガの平均的な寿命は2〜3年、5年も生きれば長寿だという。ならばこの10年というスパンはどこから来るのだろうか。
おそらくは「個」ではなく「群」の記憶なのだろうし、攻撃的なオナガの子孫が生き延び易いという「淘汰」でもあるのだろう。
オナガの社会にも子孫へと伝播する文化らしき概念があると考えるべきなのだろうか。
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