事故ではなくて事件でしょ

id:mimozaaiさんのペルー旅行記 を拝読しながら思い出した。
1982年の2月、旅の途上ペルー太平洋岸の町イカの街角で、テレビニュースの画面に釘付けとなった。
滑走路端とおぼしき海中に見慣れた鶴丸マークの旅客機が半ば水没している映像が流れていたからだ。
日本人と認識したらしい地元の人々が何事か話しかけてきたけれど、それどころではない。
映像とアテレコもせずにそのまま流れる日本語の実況を食い入るように聞いたことを覚えている。
それが世に言う逆噴射事件こと日航350便墜落事故だった。

それから十五年後の1997年12月、安穏たる日常に訃報が飛び込んできた。
南米以来の友人がインドネシアでの航空機事故で亡くなったという。
墜落箇所こそ特定され残骸や遺体の一部は回収されたけど、友人は見つからぬままスマトラのムシ川に消えてしまった。
事故原因が特定されぬまま今に至るシルクエア185便事故だ。

時と場所を隔てた二件の事故には共通点があるらしい。
日航350便は機長の心身症による誤操縦が事故を引き起こしたことで知られている。
そして原因不明とされているシルクエア185便は、機長の身辺を調査した結果、彼の自殺説が疑われているのだ。
後者こそ疑いの域を出ないが、パイロットの異常な心理状態が生じさせた(可能性の高い)事故として記憶されている。

先週発生したジャーマンウィングス機の墜落は精神や身体に問題を抱えた副操縦士による意図的な墜落だという。
職業パイロットへの道は険しく、選りすぐられた資質の持ち主だけがその席に座ることが出来るはず。
それにもかかわらず、いやそれだからこそ過大なストレスが与える影響を見逃してはならないはずだ。
門外漢には、操縦資格者の心理(精神)異常を兆候として見極める有効な手段があるのかどうかさえ判らない。
だが、手をこまねいていて済む問題ではあり得ない。
これ以上の犠牲を積み上げないためにも有効な策を講じてもらわねば。