パコ・デ・ルシア

フラメンコを改革したギタリスト「パコ・デ・ルシア」のことは拙ブログでも幾度か取り上げている。
昨年2月に急逝してしまったので二度と生の演奏に酔うことは叶わぬが、彼の残したCD群とは佳き日辛き日を分かち合っている。
最近そのささやかなコレクションに2枚を加え、以前にも増してのヘヴィローテーション。

Siroco

Siroco

まずは気になっていたライヴ盤「Siroco」(輸入盤)。

かつて発売されていた国内盤では「熱風」の副題がついていた。
なるほどSiroco(シロッコ)とは北アフリカから地中海を渡り欧州地中海岸に吹きつける季節風のこと。
収録された1987年、39歳のパコは「熱い」ギターを奏でている。
一発勝負のライヴとは思えぬ完成度はさすがとしかいいようがない。
Cositas Buenas

Cositas Buenas

そしてもう一枚は「Cositas Buenas」。
「素敵なもの」とでもいった意味だろうか、字義通りそれを裏切らない素晴らしいアルバム。

2004年のCDだが、パコにとって最後のスタジオ録音盤となってしまった。
死まで十年を残しスタジオ遺作となってしまったのは残念だが、この一枚を総括すれば「円熟」だろうか。
手慣れていて、それでなお新しさを感じさせる、不思議な空気感が漂ってくる。
このCDでパコ・デ・ルシアは不肖髭坊主のなかで「神の域」へと昇華した。

さて、未だ入手していない彼のCDは3枚。
伝説のカンタオール(男性歌手)カマロン・デ・イスラとの共演盤「Como El Agua」は廃盤なので中古を探さねば。
ラリー・コリエルジョン・マクラフリンと日本で録音した「Castro Marim」はLPレコードを所有している。
けれど肝心のレコードプレーヤーを失っているのでCDを手に入れないと。
そして、正真正銘の遺作となってしまったライヴ盤「En Vivo Conciertos Live in Spain 2010」。
う〜ん、楽しみだなぁ。