木星とガリレオ衛星 そして裏ブルームーン

朔の闇にのみこまれる寸前の剃刀月を撮ろうと未明の寝床から這い出たのだが、生憎の雲に野望を砕かれてしまった。
それならばと、夜の帳に輝く木星ガリレオ衛星を狙ってみたのだが、昼間に雨を呼んだ風が未だ吹き止まず、大気条件はユラユラと心許ない。
撮影を強行するも、眩い木星と薄暗い衛星群とではかなりの輝度差がある。
木星がシロトビせず、衛星群が黒く潰れないように、露出を変えて撮影した二枚の画像を合成してみた。

さて、ガリレオ衛星ガリレオ・ガリレイが1610年に手製の望遠鏡で発見した木星を巡る衛星の総称。
木星(ジュピター=ユピテル≒ゼウス)にちなんだギリシャ神話に登場するゼウスの愛人たちは、左からカリスト・ガニメデ、木星を挟んでエウロパ・イオとなる(1/30 19:00)。
木星軌道上には分かっている限り大小66の衛星があるのだが、我が「なんちゃって望遠鏡」や双眼鏡で見ることが出来るのは400年前と同じこの四個。
エウロパとイオは我が月とおおむね同じ程度の大きさで、カリストはひと周り、ガニメデはふた周り大きい。
それらを従える木星の直径たるや地球の11倍もの巨大惑星だ。


そういえば、明日(31日)は今月二回目の朔(新月)。
今月は元日と31日の二回、3月もまた二回の朔がある。

最近は同じ月内で二回目となる満月のことをブルームーンと呼ぶそうだ*1
直近だと2012年の8月に2回(2日と31日)満月があり、8月31日の満月はブルームーンとしてメディアがこぞって伝えていたっけ。

ならばこそ、月二回の朔はブルームーンに劣らず希少なはずだ。
それなのに小洒落た記念日が大好きなメディアは沈黙している。
満月と違って目に見えない新月だと話の俎上にも載らないようで、非公式な記念日扱いにもならないらしい。*2
朔だけに、裏のブルームーンは輝かないのだろう。

*1:元々は春分夏至秋分冬至で区切られた四半期中に四回満月があるとき、その三回目の満月を指してブルームーンと呼ぶ習慣を誤伝したものらしい

*2:ブルー(青)の補色はイエローだが、イエロームーンはいつものことだし