尾長(オナガ)

【スズメ目カラス科】
オナガの生息地は中国から朝鮮半島周辺及び日本の極東アジアとヨーロッパのイベリア半島
このあまりにも距離を隔てた分布は長いこと謎とされてきた。
大航海時代にどちらからか人為的に持ち込まれたという説はいかにもありそうな気にさせる。
だが、近年の遺伝子解析により、両端個体群が数万年前に分化していたことが分かってきたそうだ。
ユーラシア大陸に広く分布していたものが、氷河の南下などにより両端を残して絶滅したのだろう。

さて、国内の分布はというと、西日本のオナガはこの30年ほどで姿を消してしまっている。
理由は不明のままだが、九州に限れば近縁カササギ(カチガラス)との競合に敗れたとの見方もある。
ともあれ、西日本のバードウオッチャーには垂涎であるらしい。

尚、本種について「オナガドリ」の表記をみかける。
詩歌では五文字が好まれ用いる例もあるようだが、オナガドリとは本来ニワトリの品種「尾長鶏」のこと。
数メートルに達する尾羽の長さを競う鑑賞品種であり、カラス科のオナガとは縁もゆかりもないので注意を要す。

撮影データ Canon EOS 7D + EF400mmF5.6L USM /2013年11月 横浜市青葉区
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